致死的なファンコニ貧血、原因遺伝子「FANCX」を特定。DNA修復の謎に迫る

致死的なファンコニ貧血、原因遺伝子「FANCX」を特定。DNA修復の謎に迫る

骨髄移植や定期的ながん検診なしには成人を迎えることが難しい、稀な遺伝性疾患「ファンコニ貧血」。この過酷な病気には、これまで知られていたよりもさらに重篤な型が存在し、多くの胎児が出生前に命を落としていることが新たな研究で明らかになりました。この悲痛な事実の裏には、DNA修復に不可欠な一つの遺伝子『FANCX』の存在がありました。最新の研究は、この遺伝子の重要性を浮き彫りにすると同時に、将来の家族計画に希望の光をもたらすかもしれません。 ファンコニ貧血は、進行が速く生命を脅かす疾患です。骨髄不全とがんへの罹りやすさを特徴とするこの稀な遺伝性疾患を持つ人々のほとんどは、骨髄移植と定期的ながん検診を受けて初めて成人期まで生存できます。しかし、新たな研究により、ファンコニ貧血経路における特定の遺伝子の変異が、この疾患のさらに重篤な型を引き起こし、この変異を持つ多くの胎児が出生まで生き延びられないことが示されました。 この衝撃的な研究結果は、2025年4月17日に『Journal of Clinical Investigation (JCI)』誌に掲載され、この遺伝子をFANCXと特定し、それがDNA修復にいかに不可欠であるかを明らかにしました。「驚くべきなのはその重篤さです」と、ロックフェラー大学ゲノム維持研究室の責任者であるアガタ・スモゴルゼフスカ医学博士(Agata Smogorzewska, MD, PHD)は述べています。「多くの流産や、子どもたちが長生きできない事例を目の当たりにしており、この遺伝子と、それが関連するDNA修復経路が、多くの種類の幹細胞にとっていかに重要であるかが分かります。」このオープンアクセス論文のタイトルは「「Deficiency of the Fanconi Anemia Core Complex Protein FAAP100 Result

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Edited by Michael D. O'Neill

Michael D. O'Neill

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