中国の内蒙古と深川にある、内蒙古農芸大学(IMAU)と内蒙古民族大学(IMUN)と世界最大のゲノムセンターである北京ゲノムセンター(BGI)とが共同で、モンゴリアンの全ゲノムの配列解析を完了した事を発表した。このゲノム研究は、アフリカから発祥してアジアへ広がったモンゴリアンとその子孫の進化と民族移動の解明に大きく寄与し、ヒトの遺伝性疾患の研究の為の重要な基盤となる。

 

中央アジア系民族グループに属するモンゴル人のほとんどは、今日では、モンゴル国と中国の内蒙古とロシアのブリアチアとに居住しており、その人口は凡そ1,000万人となっている。13世紀から14世紀の時代に遡れば、「モンゴル帝国」は世界史上で「最大の地続きの帝国」として認識され、その広さは東アジアの黄海から東ヨーロッパ諸国の国境まで達しており、チンギス・ハンとその子孫によって統治された。広大な帝国では新しい技術や日用品そして文化の交換や交流が進み、東ヨーロッパからアジアまで人々の移動や交易が発展した。ユーラシア大陸においては、モンゴル帝国が存在した期間を通して、中国、中東、ロシアも含み、モンゴル民族の移動が幅広く成された事が、研究者間では通説となっている。


モンゴリアンのゲノム研究によって、モンゴル民族が人類の進化に与えた影響を、遺伝子レベルで解析する事が出来るようになった。この研究では、モンゴル王族の血筋でチンギス・ハンから34代目の子孫である成人男性のDNAが、サンプルとして使用されている。「このサンプルが、研究において極めて重要であるのは、家系の記録が完全であり、他の民族グループとの混血が無い事です。」と、IMAUのプロジェクトリーダーで科学技術局長であるファンミン・ゾウ教授は語る。同様に、BGIの共同研究所長のイエ・イン博士は、「モンゴリアンのゲノム解析を初めて完了させたという事は、モンゴリアンのゲノム研究によって、その際立った特徴や、臨床遺伝情報や遺伝子疾患の頻度情報を含む民族間の差異などの研究に、大きな発展を期待できるという事です。」と説明する。

 ゾウ教授は、「私達は、もっと多くのモンゴリアンのサンプルの配列と機能を解析する予定で、それにより、モンゴリアンに特化した医薬品の開発、歴史的な移動や進化の研究、そして民族との比較、などに活用できると考えています。」と語る。更に付け加えて、「そして、最終的には人類全体に貢献出来るように、このプロジェクトを発展させ更なる成果を得るための、新たな共同研究チームや研究のためのアドバイスを求めています。」と強調した。

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