思春期が遅い男子は要注意?成人後の2型糖尿病リスクとの意外な関係

子どもの成長における「思春期」は、誰もが経験する心と身体の大きな変化の時期です。この思春期を迎えるタイミングが、実は将来の健康に影響を及ぼす可能性があるとしたら、どう思われますか?最近、思春期を迎えるのが平均より遅かった男の子は、将来、ある生活習慣病のリスクが高まるという、驚きの研究結果が報告されました。これまで良性の状態と考えられてきた思春期の遅れに、一体どのような健康上の意味が隠されているのでしょうか。 思春期の遅れと2型糖尿病リスクの関連性が明らかに 平均よりも遅く思春期に入る男の子は、体重や社会経済的な要因とは無関係に、成人してから2型糖尿病を発症する可能性が高いとする研究が、欧州小児内分泌学会(ESPE: European Society of Paediatric Endocrinology)と欧州内分泌学会(ESE: European Society of Endocrinology)の初の合同会議で発表されました。この発見は、男の子が2型糖尿病を発症する新たなリスク因子を明らかにする可能性があります。 2型糖尿病は、体が十分なインスリンを作れなくなったり、インスリンを適切に使えなくなったりすることで起こる、最も一般的なタイプの糖尿病です。糖尿病患者の90%以上がこのタイプであり、社会経済的、人口統計学的、環境的、そして遺伝的要因によって引き起こされます。かつては成人発症型糖尿病と呼ばれた2型糖尿病は、45歳以上で発症することがほとんどでしたが、現在では子どもや十代の若者、若年成人での診断も増えており、研究者たちは様々なリスク因子の調査を進めています。 今回の研究で、イスラエルの研究チームは、1992年から2015年にかけて兵役のために徴集された16歳から19歳のイスラエル人男性964,108人を調査しました。そのうち4,307人が思春期遅発症と診
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Edited by Michael D. O'Neill
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