末梢神経修復療法におけるブレークスルー
サイエンス出版部 発行書籍
2022年1月17日、アイルランド王立外科医学校(RCSI)医学・健康科学大学、AMBER、アイルランド科学財団(SFI )先端材料・生体工学研究センターの研究者と、医療技術の大手グローバル企業インテグラライフサイエンス社は、身体自らのプロセスに基づく神経修復治療の新たなブレークスルーを発表した。この研究成果は、2022年1月13日にMatrix Biologyのオンライン版で発表された。このオープンアクセス論文は、「多因子神経誘導導管工学は、炎症、血管新生、大断層神経修復の結果を改善する(Multi-factorial Nerve Guidance Conduit Engineering Improves Outcomes in Inflammation, Angiogenesis and Large Defect Nerve Repair)」と題されている。 前臨床研究では、細胞外マトリックス(ECM)を使用することで、追加の細胞や成長因子を適用することなく、大きな神経欠損部において神経線維の再生を改善できることを示した。この前臨床試験において、研究チームが開発した「神経誘導導管」と呼ばれる新しいECM搭載医療デバイスは、組織が大きく失われた外傷性神経裂傷の修復後8週間で、回復反応の改善をサポートすることが明らかにされた。研究チームは、ECMタンパク質の組み合わせと比率を微調整して神経誘導導管に充填することで、標準治療と比較して、修復を促進する炎症の増加、血管密度の増加、再生する神経の密度の増加を支援できることを発見した。この新しいアプローチは、体内の神経修復プロセスを模倣することで、幹細胞や薬物療法を追加する必要性をなくすことができるかもしれない。末梢神経損傷は臨床上の大きな問題であり、毎年世界中で500万人以上が罹患していることが知られており、罹患者は筋肉や皮膚の
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