肥満リスクは遺伝子で予測できる?500万人のデータが示す早期予防の可能性

肥満リスクは遺伝子で予測できる?500万人のデータが示す早期予防の可能性

将来、自分が肥満になるかどうか、もし子どもの頃に予測できるとしたらどうでしょう?最新の研究により、500万人以上の膨大な遺伝子データを解析することで、それが現実のものとなるかもしれません。この画期的な発見は、肥満という世界的な健康課題へのアプローチを根本から変える可能性を秘めています。コペンハーゲン大学とブリストル大学が主導した新しい研究は、若いうちに遺伝子を分析することが、将来の肥満発症を防ぐための早期戦略につながる可能性を示しました。 世界肥満連盟は、2035年までに世界人口の半数以上が過体重または肥満になると予測しています。しかし、生活習慣の改善、外科手術、薬物療法といった治療戦略は、誰もが利用できるわけではなく、また常に効果的とは限りません。そこで国際的な研究チームは、500万人以上の遺伝子データを活用し、多遺伝子リスクスコアと呼ばれる指標を作成しました。このスコアは、成人期の肥満と確実に相関し、さらに幼少期においても一貫性のある指標的なパターンを示すことが明らかになりました。 この研究成果は、将来肥満になる遺伝的リスクが高い子どもや思春期の若者を特定し、より若い年齢から生活習慣の改善といった的を絞った予防戦略の恩恵を受けられるようにするのに役立つ可能性があります。2025年7月21日に学術誌Nature Medicineに掲載されたこの研究の筆頭著者である、コペンハーゲン大学のルーロフ・スミット助教(Roelof Smit)は次のように述べています。「このスコアが非常に強力なのは、5歳になる前から成人期に至るまで、遺伝子スコアとボディマス指数との間に関連性の一貫性が見られる点です。これは、他のリスク要因が小児期後半の体重に影響を与え始めるよりもずっと早いタイミングです。この時点で介入できれば、理論的には非常に大きな影響を与えられる可能性があります。」このオ

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Edited by Michael D. O'Neill

Michael D. O'Neill

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