寿命が15%延びる?老化を防ぐ「クローソー」タンパク質の驚くべき効果とは
誰もが願う「健康で長生き」。その夢を叶える鍵となるかもしれない、驚きのタンパク質が発見されました。マウスでの実験では寿命を延ばすだけでなく、筋肉や骨、さらには脳の若々しさまで保つことが示されたのです。未来のアンチエイジング治療の主役となりうる「クローソー」タンパク質の秘密に迫ります。バルセロナ自治大学神経科学研究所(INc-UAB)が主導する国際研究チームは、マウスにおいてクローソータンパク質のレベルを高めることで寿命が延び、老化に伴う身体能力と認知機能の両方が改善することを示しました。 年を重ねるにつれて、筋肉や骨量が自然に減少し、身体が弱くなることで転倒や重傷のリスクが高まります。認知的にも、ニューロンは徐々に変性してつながりを失い、アルツハイマー病やパーキンソン病といった疾患がより一般的になります。社会の高齢化が着実に進む中で、これらの影響を軽減することは研究における主要な課題の一つです。今回、『Molecular Therapy』誌に2025年4月2日に掲載された論文(オンライン版は2025年2月22日)で、INc-UABのICREA研究者であるミゲル・チロン教授(Miguel Chillón)が率いる国際研究チームは、分泌型クローソータンパク質(s-KL)のレベルを上げることが、マウスの老化を改善することを示しました。研究チームは、若いマウスに遺伝子治療ベクターを投与し、体内の細胞がより多くのs-KLを分泌するようにしました。そして、マウスが生後24ヶ月(ヒトの約70歳に相当)になった時点で、この治療がマウスの筋肉、骨、そして認知機能の健康を改善したことを見出しました。このオープンアクセス論文のタイトルは「Long-Term Effects of s-KL Treatment in Wild-Type Mice: Enhancing Longevity,
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Edited by Michael D. O'Neill

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