ALS診断の新たな血液検査、2年以内に広く利用可能に:ワイオミング州ジャクソンの研究所が開発
現在、筋萎縮性側索硬化症(ALS、別名「ルー・ゲーリッグ病」)の診断には神経内科医による臨床検査が必要です。しかし、他の神経疾患と区別するには症状の進行を追跡する必要があり、診断が遅れることが多くあります。ALS患者の平均生存期間は約3年であるため、診断が遅れることで治療の機会が大幅に失われる可能性があります。さらに、最初の誤診率は最大68%にも達し、患者は複数の専門医を転々とすることがあり、不安の増大、不必要な医療処置、および費用の増加につながります。
2024年9月13日、Brain Chemistry Labs(ワイオミング州ジャクソン)の研究者らは、血漿中の細胞外小胞(EV)からALS特異的バイオマーカー「ALSフィンガープリント」を特定したことを、オープンアクセス論文「A microRNA Diagnostic Biomarker for Amyotrophic Lateral Sclerosis」(筋萎縮性側索硬化症のためのマイクロRNA診断バイオマーカー)で発表しました。このフィンガープリントは、血液検査によって検出可能で、診断の迅速化に大きく貢献する可能性があります。
研究内容と成果
研究チームは、次世代シーケンシングとリアルタイムPCRを用いて、ALS、原発性側索硬化症(PLS)、パーキンソン病(PD)、および健常者の血液サンプルを分析しました。その結果、以下が明らかになりました:
8つのマイクロRNAからなるALSフィンガープリント:
このバイオマーカーはALSを98%の精度で検出可能。
ALSをPLSやPDと高い精度で区別する能力も持つ。
信頼性の確認:
4つの異なる患者グループ、2つの研究室、複数の技術者、および異なるサンプル収集方法で検証を実施。
いずれの条件下でも一貫して信頼性の高い結果を確認。
このバイオマーカーは、神経内科医がALSを診断する際に役立ち、現在の臨床評価を補完するものと期待されています。
今後の展望
Brain Chemistry Labsのポール・アラン・コックス博士(Paul Alan Cox, PhD)は、この血液検査を神経内科医が使用できるよう、18~24か月以内に診断企業との提携を目指していると述べています。コックス博士は、「この検査が患者の診断プロセスを劇的に改善する可能性がある」と強調しています。
Brain Chemistry Labsは非営利団体として、ALS、アルツハイマー病、パーキンソン病など深刻な脳疾患の予防、診断、治療の新たな方法を発見することを目指しています。
写真:サンドラ・バナック博士(Sandra Banack, PhD)



