ME/CFS(慢性疲労症候群)の原因解明へ:過剰な自然免疫応答と慢性炎症の関連を特定
慢性疲労症候群(ME/CFS)の原因解明へ、過剰な免疫応答が鍵か 「気のせいではないか」「怠けているだけだ」——原因不明の極度の疲労感に苦しみながらも、周囲の無理解に悩まされてきた方々がいます。しかし今、その長く続いた苦しみの原因が、分子レベルで解き明かされようとしています。最新の研究により、筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群の患者さんでは、細菌やウイルスに対する免疫システムが過剰に反応していることが明らかになり、新たな治療法への希望の光が見えてきました。 コロンビア大学メールマン公衆衛生大学院の感染免疫センターの研究者らが主導し、ME/CFS研究をリードする複数のセンターからなるチームが行ったこの新しい研究は、ME/CFSが炎症と免疫応答に及ぼす持続的な影響を分子レベルで詳述するものです。この成果は、ME/CFSや、ライム病後症候群、ロングコビッドといった他の感染後症候群の症状を軽減するための標的治療法の開発に情報を提供する可能性があります。この研究結果は、2025年9月1日付の学術誌『npj Metabolic Health and Disease』に掲載されました。論文タイトルは、「Heightened Innate Immunity May Trigger Chronic Inflammation, Fatigue and Post-Exertional Malaise in ME/CFS(ME/CFSにおける亢進した自然免疫が慢性炎症、疲労、労作後倦怠感を引き起こす可能性)」です。 ME/CFSの症状には、原因不明の疲労、労作後倦怠感、認知機能障害などがあります。アメリカ疾病予防管理センターによると、米国だけでも最大330万人のME/CFS患者がおり、年間経済負担は最大510億ドルに上ります。かつては心理的な障害と考えられていましたが、血液、筋肉、脳の研
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Edited by Michael D. O'Neill

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