失明原因「加齢黄斑変性」に新展開!コレステロール代謝の改善が鍵

失明原因「加齢黄斑変性」に新展開!コレステロール代謝の改善が鍵

50歳を過ぎると誰もが気になる目の衰え。その中でも失明の大きな原因となる「加齢黄斑変性」。この病気の進行を食い止める鍵が、私たちの血液中を流れる「コレステロール」の代謝にあったとしたらどうでしょう?マウスとヒトの血漿サンプルを用いた最新の研究が、目の病気と心臓病を結びつける意外なメカニズムを解き明かし、全く新しい治療法への道を切り開きました。失明という深刻な事態を防ぐための、希望の光となるかもしれません。 セントルイス・ワシントン大学医学部(Washington University School of Medicine in St. Louis)の新しい研究により、50歳以上の人々の失明の主因である加齢黄斑変性の進行を遅らせる、あるいは阻止する可能性のある方法が特定されました。ワシントン大学医学部の研究者とその国際共同研究者らは、この種の視力喪失にコレステロール代謝の問題が関与していることを突き止めました。これは、加齢とともに悪化する加齢黄斑変性と心血管疾患との関連性を説明するのに役立つ可能性があります。 ヒトの血漿サンプルと加齢黄斑変性のマウスモデルを用いて特定されたこの新しい発見は、血中のアポリポタンパク質Mと呼ばれる分子の量を増やすことで、目や他の臓器の細胞損傷につながるコレステロール処理の問題が修正されることを示唆しています。ApoMを増加させる様々な方法は、加齢黄斑変性や、同様の機能不全に陥ったコレステロール処理によって引き起こされる一部の心不全に対する、新しい治療戦略となる可能性があります。この研究は、2025年6月24日に科学雑誌『Nature Communications』に掲載されました。このオープンアクセスの論文タイトルは「Apolipoprotein M Attenuates Age-Related Macular Degeneration

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Edited by Michael D. O'Neill

Michael D. O'Neill

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