患者iPS細胞モデルは多発性硬化症におけるグリア固有の表現型を明らかにする
サイエンス出版部 発行書籍
最大規模のMS患者iPS細胞モデルが明らかにする新たな病気の洞察と治療の可能性。 ニューヨーク幹細胞財団(NYSCF)研究所とケース・ウェスタン・リザーブ大学の科学者たちは、これまでで最大規模となる多発性硬化症(MS)患者のiPS細胞(induced pluripotent stem cell)モデルを作成し、そのコレクションを用いて、脳の重要なサポート細胞であるグリアがMSにどのように寄与するかを初めて詳細に解析しました。この研究成果は、2024年8月26日付の『Cell Stem Cell』誌に掲載されました。これにより、MS患者のグリア細胞が、免疫システムの影響を受けずに病気固有の特性を示すことが判明し、iPS細胞を用いた新しい病態研究の可能性を示しました。 MSにおけるグリア細胞の未知の役割 MSは、免疫系が誤って中枢神経系の神経を保護するミエリン鞘を攻撃し、神経機能に重大な障害を引き起こす自己免疫疾患です。これまでの研究と治療戦略は、主に過剰に活動する免疫系を抑えることに注力してきましたが、脳内の細胞、特にグリア細胞が病気の発症と進行にどのように関与しているかについては十分に解明されていませんでした。この研究では、NYSCFの自動化プラットフォームを用いてMS患者の皮膚生検からiPS細胞を作成し、これをグリア細胞へと分化させることで、体内の複雑な環境に依存せずに病態を研究することが可能となりました。 新たな治療への道を開く発見 研究チームは、特に重症度が高い原発性進行型MS患者のiPS細胞由来グリア細胞を調べたところ、オリゴデンドロサイトの数が少ないことを発見しました。オリゴデンドロサイトはミエリンを生成し、神経線維を保護する役割を担っています。この発見は、MSが単なる免疫系の異常によって引き起こされるという従来の理解に挑戦し、病気の進行は脳
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