新セルソーティング技術で細胞治療が進歩か
サイエンス出版部 発行書籍
UCLAの研究チームは、液状サンプルに浮遊している細胞をその微妙な生化学的違いによって選別整理するセルソーティング方法を新しく開発した。この新しいセルソーティング技術は、現行のセルソーティング技術よりも迅速正確に細胞を選別し、単純かつ迅速な細胞分析自動化を可能にすると同時に、治療に用いる細胞と治療に用いない「汚染」細胞とを簡単に分離できるようにもなる。 セルソーティング技術は、ライフサイエンス研究、診断、産業的な工程など幅広い分野で用いられている。たとえば、組織や培養器から前駆細胞や幹細胞を分離するのに用いられており、一旦分離した細胞は組織損傷の治癒やがん細胞攻撃のために患者の体内に戻す治療にあてられる。UCLAでは開発された磁気ラチェッティング・システムは、わずかに異なる細胞も分別し、治療に適した細胞のみをより分けることができる。 この研究の研究責任者で、UCLA Henry Samueli School of Engineering and Applied ScienceのProfessor of BioengineeringのDino Di Carlo, Ph.D.は、「私達の考えでは、単一の細胞種というのも実は異種の細胞種が入り交っており、これを量的に分離できる技術がなければ、このような微妙な違いも見逃されてしまう。たとえば、治療に有効な前駆細胞は、なんら治療効果のない汚染細胞と非常に似通っている可能性もある」と述べている。現在、2つのセルソーティングテクニックがある。その一つは蛍光を使って目標の細胞を見つけるというテクニックで、その作業過程で損傷を受けたり、死滅してしまう細胞が多いため、この分析にはかなりの数の細胞を必要とするだけでなく、分析に時間もかかる。もう一つのテクニックは、磁気タグ付け分離という方法で、迅速だが通常は「イエス」か「ノー」かという二値的な
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