肥満症医療のゲームチェンジャー:2型糖尿病の発症リスクを60%以上低減する画期的な肥満治療薬(セマグルチド)について欧州糖尿病学会総会で発表
サイエンス出版部 発行書籍
新しい肥満治療薬の週1回の注射によって、2型糖尿病(T2D)のリスクが半分以下になることが、スウェーデンのストックホルムで開催された欧州糖尿病学会(EASD)の年次総会(9月19~23日)で発表された新しい研究成果で明らかになった。セマグルチド(商品名:Wegovy(ウィゴビー)・販売元:ノボ ノルディスク社)は、グルカゴン様ペプチド受容体蛋白で、最近米国で肥満治療薬として承認され(1)、英国では肥満治療薬として暫定的に承認されている(2)。 本研究を主導した米国アラバマ大学バーミンガム校(UAB)栄養科学科教授のW. ティモシー・ガーベイ医学博士は、「セマグルチドは、これまでで最も有効な肥満治療薬と考えられ、肥満手術後の体重減少量との差を縮め始めている」「この承認は、健康的なライフスタイルのプログラムと併用することで、平均15%以上の体重減少を示す臨床試験の結果に基づいている。この体重減少量は、健康や生活の質を損なう広範な肥満症合併症の治療や予防に十分であり、肥満症医療におけるゲームチェンジャーとなるものだ。」と述べている。肥満はT2Dのリスクを少なくとも6倍高めることが知られており、ガーベイ博士らは、セマグルチドがこのリスクを低減できるかどうかに関心を持った。そこで、博士らはセマグルチドの2つの臨床試験から得られたデータを新たに解析し、セマグルチドがこのリスクを低減できるかどうかを調べた。 ステップ1では、過体重または肥満の参加者(1,961名)に、セマグルチド2.4mgまたはプラセボを毎週注射し、68週間にわたって投与した。 ステップ4では、803名の過体重または肥満の被験者が参加した。全員が週1回2.4mgのセマグルチドを20週間注射された。 その後、48週間、セマグルチドを継続投与するか、プラセボに変更した。両試験とも、参加者は食事と運動に関するアドバイスを受
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