トカゲの急速進化の証拠をゲノム・シーケンシングで発見

2018
4月 5
(木)
15:30
遺伝子研究のライフサイエンスニュース

トカゲの急速進化の証拠をゲノム・シーケンシングで発見

トカゲには特別な超能力がある。鳥類は羽根を再生できるし、ほ乳類は皮膚を再生できる。しかし、トカゲはしっぽのような構造全体を再生できるのだ。このような違いはあっても、動物はすべてトカゲのような共通の祖先から進化してきたものだ。アメリカ全体に広がっているトカゲのグループ、アノールは、ダーウィン・フィンチのように、様々な島や、大陸本土の様々な棲息地の条件に適応している。現在では、その種は400を超える。

Arizona State University (ASU) の研究者は、パナマのSmithsonian Tropical Research Institute (STRI) を通じてパナマで採集した3種のトカゲと、アメリカ南東部で採集した1種のトカゲの系統樹を再構成し、トカゲのゲノムのDNAコード全体を他の動物と比較した。その結果、松果体その他の内分泌腺のある間脳で、色覚、ホルモン、オスがメスを誘うために上下に揺らす喉袋などに関わる遺伝子の変化が起きており、それが種の境界を形成している可能性があることを突き止めた。四肢の発達を調節する遺伝子も特に急速に進化している。

責任著者でASU School of Life Sciencesの教授を務めるDr. Kenro Kusumiは、「リクガメのような爬虫類は何百万年もの間、ほとんど変わっていないが、アノール・トカゲは急速に進化しており、様々な形や行動の違いを生み出している。今はゲノム全体をシーケンシングすることも低コストかつ容易になっており、今回の研究で急激な進化の分子遺伝学的証拠がつかめており、この進化こそが動物の棲む環境が異なればその身体にも著しい違いが生まれる理由かも知れない」と述べている。

この研究は2018年2月1日付Genome Biology and Evolutionのオープンアクセス論文として掲載されており、「Comparative Genomics Reveals Accelerated Evolution in Conserved Pathways during the Diversification of Anole Lizards (比較遺伝学研究によりアノール・トカゲの多様化の過程で保存経路の急速な進化が明らかに)」と題されている。Dr. Kusumi研究グループは、University of Arizona College of Medicine-Phoenixの同僚と共同で研究を続けており、爬虫類のゲノムが爬虫類の再生能力や様々な体形に発達する能力に及ぼす影響に特に関心を抱いている。

 

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