トカゲの急速進化の証拠をゲノム・シーケンシングで発見

トカゲの急速進化の証拠をゲノム・シーケンシングで発見

トカゲには特別な超能力がある。鳥類は羽根を再生できるし、ほ乳類は皮膚を再生できる。しかし、トカゲはしっぽのような構造全体を再生できるのだ。このような違いはあっても、動物はすべてトカゲのような共通の祖先から進化してきたものだ。アメリカ全体に広がっているトカゲのグループ、アノールは、ダーウィン・フィンチのように、様々な島や、大陸本土の様々な棲息地の条件に適応している。現在では、その種は400を超える。



Arizona State University (ASU) の研究者は、パナマのSmithsonian Tropical Research Institute (STRI) を通じてパナマで採集した3種のトカゲと、アメリカ南東部で採集した1種のトカゲの系統樹を再構成し、トカゲのゲノムのDNAコード全体を他の動物と比較した。その結果、松果体その他の内分泌腺のある間脳で、色覚、ホルモン、オスがメスを誘うために上下に揺らす喉袋などに関わる遺伝子の変化が起きており、それが種の境界を形成している可能性があることを突き止めた。四肢の発達を調節する遺伝子も特に急速に進化している。

責任著者でASU School of Life Sciencesの教授を務めるDr. Kenro Kusumiは、「リクガメのような爬虫類は何百万年もの間、ほとんど変わっていないが、アノール・トカゲは急速に進化しており、様々な形や行動の違いを生み出している。今はゲノム全体をシーケンシングすることも低コストかつ容易になっており、今回の研究で急激な進化の分子遺伝学的証拠がつかめており、この進化こそが動物の棲む環境が異なればその身体にも著しい違いが生まれる理由かも知れない」と述べている。

この研究は2018年2月1日付Genome Biology and Evolutionのオープンアクセス論文として掲載されており、「Comparative Genomics Reveals Accelerated Evolution in Conserved Pathways during the Diversification of Anole Lizards (比較遺伝学研究によりアノール・トカゲの多様化の過程で保存経路の急速な進化が明らかに)」と題されている。Dr. Kusumi研究グループは、University of Arizona College of Medicine-Phoenixの同僚と共同で研究を続けており、爬虫類のゲノムが爬虫類の再生能力や様々な体形に発達する能力に及ぼす影響に特に関心を抱いている。


この研究論文の共同著者で、STRIのScience AdministrationのAssociate Directorを務めるDr. Oris Sanjurは、「パナマで採集された脊椎動物の遺伝子コード全体、つまり、ゲノムのシーケンシング解析が行われたのはこれが初めてだ。この3種の動物から得られた情報は、生物多様性と新種進化を理解する上で重要な役割を果たすことになる」と述べている。


研究者は、パナマにはアノール属のトカゲは約40種いると推定しており、それに比べてアメリカには1種しかいない。ASUのチームは、Ministry of the Environment, MiAmbienteの許可を得て3種のアノール・トカゲ種を採集した。中央アメリカのジャイアント・アノール、Anolis frenatusは樹の幹高くに棲息しており、グラス・アノール、A. auratusは灌木や草むらに棲んでいる。また、スレンダー・アノール、A. apletophallusはパナマにのみ見られる種で、樹の幹の低い部分や地上に棲息している。

ASUのSchool of Life Sciencesの研究チームは、トカゲのDNAシーケンスを、総鰭類の魚とトカゲから進化した四つ足動物のグループ合わせて31種の動物のDNAシーケンスと並べ、比較した。さらに研究チームは、タンパク質をコード化している遺伝子を慎重に調べ、グリーン・アノール、A. carolinensisでは22,000個を超える遺伝子があるのに対して、A. auratusとA. frenatusでは約20,000個、A. apletophallusでは13,000個だけだった。

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より速い進化速度の一つの明らかな説明は、アントリー・トカゲの生殖速度がより速いことである。 Anolesは典型的には生後1年で交配し、他の爬虫類は性的成熟に達するのにかなり時間がかかります。 Anolesは他の多くの個体と交配するので、個体の生存が困難な突然変異はかなり迅速に排除されます。

以前に配列決定されていた唯一の他のanoleトカゲは、米国に居住する唯一のanole種であるグリーンアノールA. carolinensisであった.MITの研究では、A.corrolensisゲノムは、より最近の進化の証拠と古代タンパク質をコードしていないDNA部分の反復要素。この意味では、米国の種が多様なアノールグループの最も代表的なものではない可能性があるため、3種のパナマ種を順序付けることが重要でした。

「15年間にわたり、人間の進化を理解し、病気の治癒を模索することによって動機づけられた、哺乳類のゲノムを発見するためには、膨大な時間と資金が注ぎ込まれています。爬虫類には10,000種以上哺乳動物種の数 - 単一のゲノムでは、このグループ内の変動性を理解するには十分ではなかった」とASUの博士研究員であるMarc Tollis博士の報告書第1著者は述べた。

「これらの4つのanoleトカゲゲノムを比較することにより、我々は脊椎動物の最も多様なグループのどれがどのように再生し、発達し、多様化するかを理解し始めている」と彼は付け加えた。

【BioQuickNews:Lizard Genome Sequencing Reveals Molecular Genetic Evidence for Rapid Evolution

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Edited by Michael D. O'Neill

Michael D. O'Neill

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