NIHの研究者らは、サハラ以南のアフリカ人における2型糖尿病の過去最大のゲノム研究を報告した。この研究は、ナイジェリア、ガーナ、およびケニアからの5,000人以上の個人データに基づく。 研究者らは、既知のゲノム変異体を確認し、サハラ以南のアフリカの集団における疾患感受性に影響を与える可能性がある新規遺伝子ZRANB3を同定した。 この遺伝子は他の集団における2型糖尿病の発症にも影響を及ぼし、さらなる研究成果が期待される。



ネイチャーコミュニケーションズに2019年7月19日オンラインで発表されたこの研究では、研究者は、アフリカ大陸で行われた単一で最大の糖尿病ゲノム協会研究であるアフリカアメリカ糖尿病研究を通して参加者に利用できるゲノムデータを分析した。 5,231人から入手可能な情報を使用して、研究者は多くのゲノム変異体が2型糖尿病と有意に関連していることを発見した。このオープンアクセスの論文は、「ZRANB3は、ベータ細胞量とインスリン反応に関連するアフリカ特有の2型糖尿病遺伝子座(ZRANB3 Is an African-Specific Type 2 Diabetes Locus Associated with Beta-Cell Mass and Insulin Response.)」と題されている。

この調査結果は、他の研究がほとんどヨーロッパの祖先集団の2型糖尿病にすでに関与しているという多くのバリアントの結果を再現している。 この研究は、国立ヒトゲノム研究所(NHGRI)、国立糖尿病消化器病研究所、および国立衛生研究所の資金によって実施された。

この論文の共著者であり、NHGRI Medical Genomics and Metabolic Genetics Branchの上席研究員であるFrancis S. Collins博士は、次のように述べている。


「アフリカ人のゲノムを研究することは、すべてのヒト集団にわたる遺伝的変異を理解するための重要な機会を提供する。」

ZRANB3がどのように2型糖尿病に関与しているかをよりよく理解するために、研究者らは、ゼブラフィッシュの膵臓に対するその影響を調べた。 膵臓は、そのβ細胞が血流中のグルコースの上昇に対する応答としてインスリンを放出するため、2型糖尿病に関与する重要な器官の1つである。

NHGRIの研究者であり、この論文の筆頭著者であるAdebowale Adeyemo博士は、次のように述べている。 「しかし、新しいゲノムツールが利用可能になったことで、我々はZRANB3の役割や2型糖尿病に対してどのようにリスクを与えるのかに感心を持った。これは研究成果が患者にとって役立つのを助ける知識である。」

メリーランド大学のNorann Zaghloul博士と協力して、研究者らは、ゼブラフィッシュのZRANB3遺伝子が機能しなくなるようにCRISPR-Cas9 DNA編集システムを使用してノックアウトを作製した。 彼らはまた、異なるゼブラフィッシュにおけるZRANB3遺伝子の発現を減少させるために生物学的ツールを使用した。 双方の場合において、発生中のゼブラフィッシュ胚におけるβ細胞数の減少を観察した。 彼らは、ZRANB3遺伝子が不活性だとβ細胞が破壊され始めることに気づいた。

これらの結果を追跡し、そのβ細胞死の結果を特定するために、研究者らはマウスからβ細胞細胞を取り出し、ゼブラフィッシュモデルと同様にZRANB3遺伝子のノックダウンを行った。 彼らは、ZRANB3ノックダウン細胞が、高グルコースの存在下で正常マウスβ細胞よりもはるかに少ないインスリンを放出することを見出した。

2型糖尿病におけるZRANB3の役割はアフリカの集団(これはゲノム研究ではあまりにも過小評価されてきた)で発見されたが、この遺伝子の生物学をさらに研究するにつれて同遺伝子が他の集団の2型糖尿病の発生に影響する可能性もあると考えられる。

これは、遺伝子の機能が大部分は普遍的に同じだからだ。 ただし、遺伝子内の配列のバリエーションの違い、およびそれらがライフスタイル、行動、その他の要因とどのように相互作用するかによって、特定の母集団の疾患に対する遺伝子が影響を受ける可能性がある。

「この研究の調査結果は、すべての人間集団を研究することがなぜ重要であるかをさらに実証している。そうすることによって、特定の人口だけでなく世界中の人々に役立つ新しい発見をする機会がある。」とこの論文の主執筆者であるCharles Rotimi 博士は述べた。

研究者にとって次のステップは、2型糖尿病を持っている参加者とZRANB3のバリアントに戻ることだ。 この問題は、2型糖尿病患者におけるZRANB3変異体の存在が、これらの個体が糖尿病治療の過程で早期にインスリンを必要とするかどうかを予測するのに役立つだろうか?と言うことだ。 そのような人々に早期にインスリンを提供することは、β細胞の消耗を経時的に遅らせるのを助けることができるので有益かもしれない。 これはいつの日か、パーソナライズされた方法で2型糖尿病を治療するための単純でありながら非常に効果的な方法になるかもしれない。

BioQuick News:NIH Publishes Largest Genomic Study on Type 2 Diabetes In Sub-Saharan African Populations; Researchers Show Critical Association Between Diabetes and Previously Unlinked ZRANB3 Gene

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