肥満は精子にエピジェネティックな変化を引き起こすことが判明

肥満は精子にエピジェネティックな変化を引き起こすことが判明

人間を対象とした研究で、男性の肥満が精子のエピゲノムをダイナミックに変化させ、その変化が子供に遺伝し、次世代の代謝に深刻かつ長期的な影響を残す可能性が最近の研究で示唆されている。複数の小部分に分かれるこの研究では、特に痩せ型と肥満型の父親の場合では精子のsmall ncRNA (non-coding RNA)の発現に大きな違いがあることを初めて示した。


このsmall ncRNAは、RNAのサブタイプで、エピジェネティックな遺伝への関わりが強く示されている。
もう少し具体的に言うと、piRNA (piwi-interacting RNA)と呼ばれるsmall ncRNAのあるサブタイプは、痩せ型と肥満型の男性では発現が異なることが突き止められたのである。piRNAは、主として生殖系で発現し、反復配列を抑制することでゲノムの安定性を維持したり、コード遺伝子の発現を調節したりなどの基本的な役割で知られている。エピジェネティックな遺伝におけるpiRNAの役割については過去にショウジョウバエの研究で示されている。

今回の研究では、痩せ型と肥満型の男性で発現が異なるpiRNAのターゲット予測で、「Chromosome」や「Chromatin」などの用語や「Chemdependancy」のような遺伝子アノテーション用語に対してbest enrichment scoreを示す遺伝子を拾い出した。 特に、肥満に関わる摂食調節物質であるコカイン・アンフェタミン調節転写産物 (CART) が、肥満型男性では発現が異なっていた。

研究のこの部分の結果から、同研究チームは、「このような変化を受けたpiRNAの発現が、それに合わせて、行動や摂食に関わる遺伝子の発現を修正し、子供の肥満的傾向を引き起こすのではないか」と推定している。

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Edited by Michael D. O'Neill

Michael D. O'Neill

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