ジョンズ・ホプキンス大学が遺伝子変異解析ソフトを作成

ジョンズ・ホプキンス大学が遺伝子変異解析ソフトを作成

サイエンス出版部 発行書籍

DNAシーケンスによって遺伝子の変異を検知することは、がんの診断や治療法の選択に大変有用である。現行のDNAサンプルのテスト法では、とりわけサンガー法とパイロシーケンス法が使用されるが、時折、配列への読み替えが困難であったり出来なかったりする複雑な配列パターンが見受けられる。ジョンズ・ホプキンス大学医学部の研究グループは、そのような複雑な遺伝子変異配列パターンであっても、より正確に同定できるパイロメーカーというフリーソフトを開発した。   パイロメーカーはWebベースのアプリケーションで、ユーザーの入力した、例えば腫瘍細胞と正常細胞の比率や、ワイルドタイプのシーケンスデータや、ディスペンセーション順位や、変異配列番号などのデータを基にパイログラムのシミュレーションを行なうものだ。パイロメーカーは、変異とワイルドタイプとの相対アレル比率を計算し、ディスペンセーション配列に存在する予測される当該変異点を導き出す。最終結果は予測されるパイログラムが表示されるようになっている。 KRAS遺伝子は、様々な癌の病因として重要な作用を担っているが、研究グループは、このKRAS遺伝子によく見受けられる変異の幾つかを含む実際のパイログラムを用いて、パイロメーカーを評価した。実際のパイログラムと計算上のパイログラムは、全ての遺伝子変異解析テストにおいて、同一の結果を導出できる結果であった。彼らは次に、12-13個の単一或いは複合変異のコドンが、独特なパイログラムを描くことを実証した。しかし、いくつかの複合変異は、一塩基変異と見分けがつかない場合もあったため、複合変異の解析はまだ完全ではないと考えられる。研究グループは、二つのパイログラムを使って、最初には解読が困難であった場合の解決法を5通り提案した。それらは、サンガーシーケンス法のみで行なうこと、パイロメーカーで予測配列解析を行なうこと

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Edited by Michael D. O'Neill

Michael D. O'Neill

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