感情の仕組みを解明!ヒトとマウスに共通する「脳のサステインペダル」とは?

感情の仕組みを解明!ヒトとマウスに共通する「脳のサステインペダル」とは?

嬉しい、悲しい、腹が立つ。私たちは日々、様々な感情とともに生きていますが、その正体を正確に理解しているとは言えません。なぜ特定の感情が長く心に残り、時には私たちを苦しめるのでしょうか?スタンフォード大学の研究チームが、この「感情」が脳内で生まれる瞬間の、驚くべき仕組みを明らかにしました。不快な体験をしたとき、私たちの脳(そして、実はマウスの脳も)では、まるでピアノのペダルのように情報を響かせ続ける特別な活動パターンが現れるというのです。この発見は、うつ病や心的外傷後ストレス障害(PTSD)といった心の病の理解に、新たな光を当てるかもしれません。 スタンフォード大学の科学者たちは、不快な感覚体験に反応して現れる持続的な脳活動パターンが、ヒトとマウスで共通していることを発見しました。これは、私たちの感情、そしておそらくは神経精神疾患を解き明かすための窓を開くものです。 私たちは常に自分の感情を理解しているわけではありませんが、感情なしでは普通の生活を送ることはできません。感情は人生を通じて私たちを導き、意思決定や行動の指針となります。しかし、感情が不適切であったり、長く続きすぎたりすると、問題を引き起こすことがあります。神経科学者や精神科医は、最大限の努力にもかかわらず、私たちの感情の根底にある脳活動、それが私たちをどのように動かし、どのように病気にするのかについて、まだ十分に理解していません。 今回、2025年5月29日に科学誌『Science』に掲載された研究で、スタンフォード大学医学部の研究者たちは、やや不快な感覚体験によって引き起こされる感情的応答の根底にある、脳全体の神経処理をマッピングしました。この脳活動の特徴は、ヒトとマウスで共通していることが判明し、ひいては、その間に位置するすべての哺乳類で共通していると考えられます。(もしかしたら、あなたのペットはす

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Edited by Michael D. O'Neill

Michael D. O'Neill

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