パーキンソン病の原因は「無害なウイルス」?脳内での意外な関連性が明らかに

パーキンソン病の原因は「無害なウイルス」?脳内での意外な関連性が明らかに

誰もが持っているかもしれない、ありふれた「無害なウイルス」。もし、そのウイルスがパーキンソン病のような難病の引き金になっているとしたら…? そんな驚くべき可能性を示唆する研究結果が、このたびノースウェスタン大学医学部から発表されました。研究チームは、パーキンソン病患者の脳内から、これまで全く関連が疑われていなかった特定のウイルスを検出。これまで原因の多くが不明とされてきたパーキンソン病の謎を解き明かす、新たな鍵が見つかったのかもしれません。 ノースウェスタン大学医学部の新しい研究により、パーキンソン病患者の脳内で、一般的ではあるものの通常は無害なウイルスが検出されました。 2025年7月8日に『JCI Insight』誌で発表されたこの研究は、米国で100万人以上が罹患しているパーキンソン病の環境的な引き金、あるいは寄与因子として、これまで知られていなかったウイルスが関与している可能性を示唆しています。パーキンソン病には遺伝的要因が関連するケースもありますが、ほとんどの症例では原因が不明のままです。このオープンアクセス論文のタイトルは「Human Pegivirus Alters Brain and Blood Immune and Transcriptomic Profiles of Patients with Parkinson’s Disease(ヒトペギウイルスはパーキンソン病患者の脳および血液の免疫・トランスクリプトームプロファイルを変化させる)」です。 「私たちは、パーキンソン病の一因となりうるウイルスなどの潜在的な環境要因を調査したいと考えていました」と、神経学部門の神経感染症・グローバル神経学の責任者であるイゴール・コラルニク医師(Igor Koralnik, MD)は述べています。「『ViroFind』というツールを用いて、パーキンソン病患者と

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Edited by Michael D. O'Neill

Michael D. O'Neill

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