脳内免疫細胞(ミクログリア)の重要なシグナル伝達経路がアルツハイマー病治療の新たなターゲットになる可能性を発見
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ワイルコーネルメディスンの研究者らは、脳に常駐する免疫細胞の重要なシグナル伝達経路を阻害することで、脳の炎症を鎮め、それによりアルツハイマー病やその他の神経変性疾患における病気の進行を遅らせることができる可能性を示唆した。この研究結果は、神経変性疾患に対する新たな治療戦略の可能性を示している。神経変性疾患は、高齢者に比較的よく見られる疾患で、今のところ、有効な疾患修飾治療法がない。 脳の炎症、特にミクログリアと呼ばれる脳内の免疫細胞の活性化を介した炎症は、神経変性疾患の共通の特徴として長い間指摘されてきた。また、タウと呼ばれる神経細胞タンパク質の異常な糸状の凝集体『タングル』が広がることも、これらの疾患の特徴としてよく知られている。研究チームは、このタウの絡まりが、NF-κB経路と呼ばれる多機能シグナル伝達経路を介して、ミクログリアの炎症活性化の引き金となることを明らかにした。タウに基づくアルツハイマー病モデルマウスでミクログリアのNF-κBシグナルを阻害すると、免疫細胞が炎症状態から大きく脱却し、動物の学習・記憶障害が回復した。 2022年4月12日にNature Communicationsに掲載されたこのオープンアクセス論文は、「ミクログリアNF-κBは、タウ障害マウスモデルにおいてタウの拡散と毒性を促進する(Microglial NF-κB Drives Tau Spreading and Toxicity in a Mouse Model of Tauopathy)」と題されている。 「今回の研究結果は、NF-κBの過剰な働きを抑制することが、アルツハイマー病やその他のタウ変性疾患における優れた治療戦略となる可能性を示唆している」と、ワイルコーネル医学大学ファイルファミリー脳・精神研究所で、ヘレン&ロバートアペルアルツハイマー病研究所所長、バートンP&ジュディ
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