ヒハツ(インドナガコショウ)に含まれる成分が神経膠芽腫に有効であることが判明

ヒハツ(インドナガコショウ)に含まれる成分が神経膠芽腫に有効であることが判明

サイエンス出版部 発行書籍

ピペルロングミンは、ヒハツ(インドナガコショウ・Piper longum)に含まれる化学物質(写真)で、脳腫瘍を含む多くの種類の癌細胞を死滅させることが知られている。このたび、ペンシルバニア大学ペレルマン医科大学の研究者を含む国際チームは、動物モデルを用いて、ピペルロングミンの作用の一端を明らかにし、脳腫瘍の中でも最も治療が困難なタイプの一つである膠芽腫に対する強い活性を確認した。この研究成果は2021年4月14日にACS Central Scienceのオンライン版で発表されたが、ピペルロングミンがどのようにしてTRPV2というタンパク質に結合し、その活性を妨げるのかが詳細に示された。TRPV2は膠芽腫で過剰に発現しており、癌の進行を促進すると考えられている。   研究者らは、神経膠芽腫の2つのマウスモデルにおいて、ピペルロングミンを投与すると神経膠芽腫の腫瘍が激減し、寿命が延びること、また、ヒトの患者から採取した神経膠芽腫細胞を選択的に破壊することを発見した。   オープンアクセス論文は「ピペルロングミンによるTRPV2のアロステリック・アンタゴニスト・モジュレーションは神経膠芽腫の進行を阻害する(Allosteric Antagonist Modulation of TRPV2 by Piperlongumine Impairs Glioblastoma Progression)」と題されている。ペンシルバニア大学医学部の薬理学准教授である、共同研究者のVera Moiseenkova-Bell博士は、「今回の研究により、ピペルロングミンが膠芽腫に対してどのように作用するかがより明確になり、原理的にはさらに強力な治療法を開発することが可能になった」と述べている。本研究は、リスボン大学分子医学研究所およびケンブリッジ大学の共同研究者であるGonçalo J. L

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Edited by Michael D. O'Neill

Michael D. O'Neill

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