8000万年以上保存されてきた有害エクソンは不可欠であり抗腫瘍活性があることをCRISPRベースの手法で発見

8000万年以上保存されてきた有害エクソンは不可欠であり抗腫瘍活性があることをCRISPRベースの手法で発見

我々はマウスとの共通点はあまり無い。 8000万年に渡る進化による分岐の後、DNAの類似点を見るためには少し目を凝らす必要がある。 進化に抵抗し、マウスとヒト(そしてラットとフグ)の間で同一であり続けたDNA断片は、重要であり、恐らく不可欠であることは明らかだ。シアトルのFred Hutchinson Cancer Research Centerの科学者は、これらの超保存されたDNA要素が不可欠であることを示した。
2020年1月7日にNature Geneticsでオンラインで公開されたこの論文は「RNAアイソフォームのスクリーニングで明らかになった、有害な超保存エキソンの不可欠性と腫瘍抑制活性」と題されている。


我々はマウスとの共通点はあまり無い。 8000万年に渡る進化による分岐の後、DNAの類似点を見るためには少し目を凝らす必要がある。 進化に抵抗し、マウスとヒト(そしてラットとフグ)の間で同一であり続けたDNA断片は、重要であり、恐らく不可欠であることは明らかだ。
「超保存エレメント」として知られるこれらのDNAセクションは、2003年に最初のヒトゲノムシーケンスが公開されたときに科学的な注目を即座に集めた。科学者はこれらのエレメントの分子機能を発見したが、これまでその本質は示されてこなかった。

2020年1月7日にNature Geneticsでオンラインで公開されたこの新しい研究で、ワシントン州シアトルのFred Hutchinson Cancer Research Centerの科学者は、これらの超保存されたDNA要素は確かに不可欠であることを示した。 この論文は「RNAアイソフォームのスクリーニングで明らかになった、有害な超保存エキソンの不可欠性と腫瘍抑制活性(RNA Isoform Screens Uncover the Essentiality and Tumor-Suppressor Activity of Ultraconserved Poison Exons.)」と題されている。

「有害エキソン」として知られる超保存された要素のサブクラスを見て、特定の有害エキソンが細胞の成長に不可欠であることが分かったという。 これらの発見は、超保存された要素が細胞レベルで動作することを示すことにより、何百万年もの間変化していない理由を明らかにするのに役立つ。 これは「これらの高度に保存されたDNA要素の大規模な重要性を発見した最初の研究だ」と、計算生物学者であり研究の著者であるRob Bradley 博士(写真)は述べた。

マウス、ラット、およびヒトの間で共有された481の超保存DNA要素は、これら3つのゲノム配列が決定されて比較されるとすぐに浮上した。 この発見は「本当に奇妙で、本当に面白かった」とBradley 博士は語った。「誰もがこれらのDNA断片は非常に重要だと思っていた。」 科学者は、マウスゲノムから超保存された要素を除去し、完全に健康なマウスを生産した。

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Edited by Michael D. O'Neill

Michael D. O'Neill

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