グリア細胞からもニューロンに情報伝達
サイエンス出版部 発行書籍
ドイツ連邦のJohannes Gutenberg University Mainz (JGU) の研究チームは、脳の中で感覚入力の学習や処理に重要な役割を果たす新しい信号伝達経路を突き止めた。グリア細胞と呼ばれる特別な細胞がニューロンから情報を受け取ることは以前から知られていたが、同じグリア細胞がニューロンに情報を伝達することは知られていなかった。グリア細胞はニューロン・クロストークに影響するある種のタンパク質断片を放出し、それがニューロンが情報伝達に用いるシナプス接合に結合すると予想できる。 たとえば学習の過程中などにグリア細胞からのこのような情報伝達が妨げられると、神経回路網に変化が起きる。Dr. Dominik Sakry、Dr. Angela Neitz、Professor Jacqueline Trotter、Professor Thomas Mittmannらの研究チームは、究極的に行動パターンを決める仕組みを分子・細胞レベルからネットワーク・レベルにわたって解明した。この発見は複雑な脳の信号伝達経路を理解する上で大きな進歩となった。哺乳動物の脳ではグリア細胞の数は神経細胞をはるかに上回っているが、その機能についてはまだほとんど解明されていない。 乏突起膠細胞前駆体細胞 (OPC) と呼ばれるグリア細胞グループが乏突起膠細胞に成長し、神経軸索をミエリンの保護層で鞘のように包み込み、軸索を通しての急速な信号伝達を可能にしている。興味深いことに、脳細胞中におけるOPCの比率はほぼ一定しており、成人の脳でも脳の全領域にわたって5%から8%程度を占めている。Mainz Universityの研究チームはこのOPCに絞って詳しく調べることを考えた。その研究論文が2014年11月11日付PLOS Biologyのオープンアクセス論文集オンライン版に掲載されている。
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