二硫化モリブデン半導体の超高感度バイオセンサで一分子まで検出能力が進化
サイエンス出版部 発行書籍
グラフェンに匹敵する化合物出現。University of California Santa Barbara (UCSB) の研究チームがバイオセンシング向けに開発した原子単位の薄さの二次元超高感度半導体材料がヘルスケアから環境保護、法医学部門まで様々な分野のバイオセンシング・テクノロジの領域を押し広げる可能性を持っている。通常乾燥潤滑剤に用いられる二硫化モリブデンまたは輝水鉛鉱 (写真) 型のバイオセンサ材料は高感度のグラフェンを上回る感度でスケーラビリティも良く、大量生産に適している。 この材料に関する研究論文が2014年4月22日付ACS Nanoに掲載され、2014年5月27日付ACS Nanoに訂正が掲載された。研究論文の共同著者で、UCSB, Center for Bioengineeringの化学工学教授とDirectorを兼任するDr. Samir Mitragotriは、「この発明は、将来的には診断学や生体工学の分野の研究にとって見果てぬ夢だった一分子レベルでの検出を可能にする新世代の低コスト超高感度バイオセンサ開発の礎となるものだ。検出と診断はUCSBの生体工学研究の基幹分野であり、今回の研究も期待の大きいこの分野におけるUCSBの多面的な実力をはっきりと示すものになった」と述べている。 また、この研究を指導したUCSBのKaustav Banerjee電気・コンピュータ・エンジニアリング教授は、「この研究のカギは二硫化モリブデンの導電性を決定する禁止帯の特性である」と述べている。半導体物質は、非常に小さいが完全にはゼロにならない禁止帯という特性を持っており、制御で導電体と絶縁体という2つの状態を切り替えることができる。この禁止帯が広いほどその物質の2つの状態を切り替えやすく、また絶縁体状態での漏洩電流も抑えることができる。二硫化モリブデンの禁
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