ウイルスの遺跡が神経変性を促進する可能性

ウイルスの遺跡が神経変性を促進する可能性

ヒトのゲノムに自然に存在するウイルスの遺伝的名残が、神経変性疾患の発展に影響を与える可能性があると、ドイツ神経変性疾患センター(DZNE:Deutsches Zentrum für Neurodegenerative Erkrankungen)の研究者たちが結論づけました。彼らは細胞培養に関する研究を基にこの結果を報告しています。彼らの見解では、これらの「内因性レトロウイルス」が、特定の認知症の特徴である異常なタンパク質の集積の拡散に寄与する可能性があるということです。したがって、これらのウイルスの遺跡は治療の潜在的なターゲットとなり得ます。

このオープンアクセスの論文は、「Reactivated Endogenous Retroviruses Promote Protein Aggregate Spreading(再活性化された内因性レトロウイルスがタンパク質凝集体の拡散を促進する)」というタイトルで、Nature Communications誌にて2023年8月18日に発表されました。

Life Science News from Around the Globe

Edited by Michael D. O'Neill

Michael D. O'Neill

バイオクイックニュースは、サイエンスライターとして30年以上の豊富な経験があるマイケルD. オニールによって発行されている独立系科学ニュースメディアです。世界中のバイオニュース(生命科学・医学研究の動向)をタイムリーにお届けします。バイオクイックニュースは、現在160カ国以上に読者がおり、2010年から6年連続で米国APEX Award for Publication Excellenceを受賞しました。
BioQuick is a trademark of Michael D. O'Neill

LinkedIn:Michael D. O'Neill

 

サイトスポンサー

生命科学出版部 発行書籍