オピオイドに代わる新薬へ。末梢性神経障害性疼痛を標的とするEphB1/2阻害剤の開発

オピオイドに代わる新薬へ。末梢性神経障害性疼痛を標的とするEphB1/2阻害剤の開発

サイエンス出版部 発行書籍

多くの人々を苦しめる「慢性的な痛み」。その治療には、しばしばオピオイド系鎮痛薬が用いられますが、その依存性の高さは深刻な社会問題となっています。もし、オピオイドに代わる、安全で効果的な新しい治療薬が生まれたとしたら、どれほど多くの人が救われるでしょうか。この大きな課題に挑むため、テキサス工科大学の研究チームが立ち上がりました。彼らが注目したのは、「EphB1/2チロシンキナーゼ」というタンパク質。この記事では、米国国立衛生研究所(NIH)から大型研究費を獲得した、末梢性神経障害性疼痛に対する画期的な治療薬開発の最前線をご紹介します。 アーメド博士、末梢性神経障害性疼痛を標的とする阻害剤研究でNIHから助成金を獲得 多くの人々を苦しめる慢性疼痛は、しばしばオピオイドの増量処方につながる深刻な疾患です。米国医師会の報告書「Nation’s opioid-related overdose and death epidemic continues to worsen」によると、オピオイドの処方は深刻な国家的危機を引き起こし、2020年12月から2021年12月までの1年間で107,000人以上のアメリカ人の命を奪いました。 このような現実から、慢性疼痛を効果的に管理できる、オピオイドに代わる非依存性の新しい治療法の開発が急務となっています。この開発を促進するため、米国国立衛生研究所(National Institutes of Health)の国立神経疾患・脳卒中研究所(National Institute of Neurological Disorders and Stroke)は最近、テキサス工科大学健康科学センター(TTUHSC: Texas Tech University Health Sciences Center)ジェリー・H・ホッジ薬学部のマフムード・サラ

Life Science News from Around the Globe

Edited by Michael D. O'Neill

Michael D. O'Neill

バイオクイックニュースは、サイエンスライターとして30年以上の豊富な経験があるマイケルD. オニールによって発行されている独立系科学ニュースメディアです。世界中のバイオニュース(生命科学・医学研究の動向)をタイムリーにお届けします。バイオクイックニュースは、現在160カ国以上に読者がおり、2010年から6年連続で米国APEX Award for Publication Excellenceを受賞しました。
BioQuick is a trademark of Michael D. O'Neill

LinkedIn:Michael D. O'Neill