環境ストレスへの適応を支えるアンチセンスRNAの役割
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研究チーム、アンチセンス非コードRNAの重要な機能を発見。
細胞内での非コードRNAの機能は長い間謎のままでした。非コードRNAはタンパク質を生成しないにもかかわらず、大量に存在しています。ドイツのゲッティンゲン大学の研究チームは、アンチセンスRNA(asRNA)が細胞内の「高速道路」として機能し、遺伝子発現を加速することを発見しました。この研究成果は2024年6月19日にNature誌に掲載されました。論文タイトルは「dsRNA Formation Leads to Preferential Nuclear Export and Gene Expression(dsRNA形成は核輸送と遺伝子発現を優先する)」です。
RNA(リボ核酸)は、DNAの情報をタンパク質に翻訳する中心的な役割を果たします。RNAにはさまざまな種類があり、その一つがメッセンジャーRNA(mRNA)です。mRNAは、細胞核内のDNAからタンパク質の設計図を細胞質に運び、そこで他の細胞成分がそれをタンパク質に変換します。これに対し、非コードRNAはタンパク質を生成せず、多くはmRNAの補完鎖として生成されるため、アンチセンスRNA(asRNA)と呼ばれます。
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