過去最大規模の心不全研究で、心不全による死亡リスクを低下させるためにはNovartisの試験医薬がACE阻害薬enalaprilよりはるかに有効と実証される
2014年8月30日付でNovartis社がスペインのバルセロナのEuropean Society of Cardiology会議において発表し、同時にNew England Journal of Medicineにも掲載されたプレスリリースで、過去最大規模の心不全研究の主要エンドポイントで、同社の心不全治験薬、LCZ696が、ACE阻害薬enalaprilより優れていることが実証されたとしている。PARADIGM-HFで、左室駆出率 (HF-REF) 低下の心不全患者のうち、LCZ696を投与された患者はACE阻害薬enalaprilを投与された患者に比べて生存率も高く、突然の心不全悪化で入院する率も低いという結果が出た。
患者は既存の最善の治療を受ける他にLCZ696またはenalaprilの投与を受けた。HF-REF患者のLCZ696投与とenalapril投与の効果の差は統計的にもかなり有意であり、臨床的にも重要であった。この研究では、LCZ696の効果は早くから現れて持続し、しかもサブグループ全体で一貫していた。また、LCZ696は、心血管系死亡リスクを20% (p=0.00004) 減少させ、心不全による入院を21% (p=0.00004) 減少させ、また全死亡率を16% (p=0.0005) 減少させた。
生命科学雑誌バイオクイックニュース: 2024年9月号
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