コウモリからヒトへ、1000kmの旅の謎。野生動物取引がパンデミックの引き金か

コウモリからヒトへ、1000kmの旅の謎。野生動物取引がパンデミックの引き金か

パンデミックを引き起こした新型コロナウイルスは、一体いつ、どこから来たのでしょうか?この問いは、世界中の科学者が追い続けてきた大きな謎です。多くの人は、ウイルスがコウモリの中で何十年もかけてゆっくりと進化し、やがて人間に感染する能力を獲得したと考えていました。しかし、その常識を根底から覆す、驚くべき研究結果が発表されました。犯人は、遠い昔から潜んでいた古株ではなく、実はアウトブレイクの直前に現れた「新顔」だったのかもしれないのです。最新のゲノム解析技術を駆使したこの研究は、ウイルスの出現からパンデミックに至るまでのタイムラインを書き換え、未来の脅威に備えるための重要な手がかりを私たちに示しています。 以下は、2025年5月7日に学術誌『Cell』に掲載されたオープンアクセス論文に関するニュースの日本語リライトです。 2025年5月7日に学術誌『Cell』で発表された画期的なオープンアクセスの研究は、重症急性呼吸器症候群コロナウイルスとSARS-CoV-2が、どのようにしてコウモリの集団から出現し、ヒト社会へ侵入したかについて、これまでで最も明確な進化的タイムラインを提示しました。 この論文は、「「The Recency and Geographical Origins of the Bat Viruses Ancestral to SARS-CoV and SARS-CoV-2(SARS-CoVおよびSARS-CoV-2の祖先であるコウモリウイルスの近接性と地理的起源)」」と題され、エディンバラ大学のジョナサン・E・ペカー博士(Jonathan E. Pekar, PhD)、東京大学のスピロス・リトラス博士(Spyros Lytras, PhD)、そしてルーヴェン・カトリック大学のフィリップ・レメイ博士(Philippe Lemey, PhD)が主導し、複数

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Edited by Michael D. O'Neill

Michael D. O'Neill

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