細胞内に存在する電気活動が生物学に新たな可能性をもたらすことが発見された。
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デューク大学の研究者たちは、生物学的凝縮体と呼ばれる細胞構造の内部や周囲に、細胞膜と同じような不均衡な電荷が存在することを発見した。この構造は、水中に浮かぶ油滴のように、密度の違いによって存在しており、細胞膜という物理的な境界を必要とせず、細胞内にコンパートメントを形成している。これにより、生物化学に関する研究者の考え方が変わる可能性がある。また、地球上の最初の生命が、どのようにして誕生に必要なエネルギーを利用したのかを知る手がかりにもなりそうだ。 研究チームは、小さな生体凝縮液にも、水滴が空気や固体の表面と相互作用すると、電気的な不均衡が生じることを示した過去の研究にヒントを得て、同様のことが言えるかどうかを調べた。さらに、この不均衡が、他のシステムのように活性酸素(レドックス)反応を引き起こすかどうかも確認した。論文のタイトルは、「生体分子凝縮体の界面が酸化還元反応を制御する(Interface of Biomolecular Condensates Modulates Redox Reactions)」である。 デューク大学のポスドク研究者、ダイ・イーファン博士は、バイオメディカル工学のアラン・L・カガノフ特別教授とジェームズ・L・メリアム特別教授のリンチョウ・ユウ博士の研究室で、酵素のないプレバイオティクス環境におけるエネルギー源について研究を行っている。ダイ博士は、「界面は生物学的領域であるにもかかわらず、細胞膜以外ではほとんど研究されていない。そこで、我々は生物学的凝縮体の界面で何が起こっているのかを調べ、それが非対称系なのかどうかを確かめたいと考えた」と述べた。 細胞は、生物学的凝縮体を利用して特定のタンパク質や分子を分離したり、一緒に閉じ込めたりすることができる。しかし、凝縮体の機能や利用方法についてはまだ十分に理解されていない。ダイ博士らは、この
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