地下のタイムカプセル:盲目の魚が解き明かす、1100万年前の洞窟の歴史

地下のタイムカプセル:盲目の魚が解き明かす、1100万年前の洞窟の歴史

目を失った洞窟魚が「時計」になる?遺伝子変異で古代洞窟の年代を測定する新手法 光の届かない地底湖にひっそりと生息する、小さく、色が無く、目を持たない魚。この不思議な生き物が、実は地球の古代史を解き明かすための「タイムカプセル」だったとしたらどうでしょう?イェール大学の研究者を中心とするチームは、この洞窟魚のゲノム(全遺伝情報)を解析することで、彼らがいつ目を失ったのかを特定し、それによって彼らが住む洞窟の年代を測定するという、ユニークな手法を開発しました。 この研究は、生物の進化の謎だけでなく、地質学的な歴史にも新たな光を当てるものです。研究成果は、2025年8月5日に学術誌「Molecular Biology and Evolution」に掲載されました。論文のタイトルは「Convergent Evolution in Amblyopsid Cavefishes and the Age of Eastern North American Subterranean Ecosystems(ケンタッキーメクラマス科の洞窟魚における収斂進化と北米東部の地下生態系の年代)」です。 研究対象となったのは、米国東部の地下水系に生息するケンタッキーメクラマス科の洞窟魚です。ゲノム解析の結果、異なる種の洞窟魚は、それぞれ独立して洞窟という環境に進出し、暗闇に適応する過程で、目や色素を失うといった同様の形質を別々に進化させてきたことが明らかになりました。 遺伝子が刻む「変異時計」 研究者たちは、魚の目が退化する原因となった遺伝子変異を調べることで、一種の「変異時計」を開発し、各種がいつ目を失い始めたのかを推定しました。その結果、最も古い洞窟魚であるオザークメクラマス(Troglichthys rosae)では、視覚関連遺伝子が最大で1100万年前に退化し始めたことがわかり

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Edited by Michael D. O'Neill

Michael D. O'Neill

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