新発見!視床下部の未知の神経細胞「BNC2ニューロン」が肥満治療のカギを握る

新発見!視床下部の未知の神経細胞「BNC2ニューロン」が肥満治療のカギを握る

サイエンス出版部 発行書籍

視床下部の未知の神経細胞が発見され、新たな肥満治療の可能性が浮上 肥満は、米国の成人の40%、子供の20%に影響を与える深刻な健康問題です。最近では、新しい治療法が注目を集め、肥満の管理に一定の成果を上げていますが、脳と体の相互作用がどのように食欲を調節するのかについては、未だ多くの謎が残されています。この度、研究者チームは、視床下部に存在する新たな神経細胞集団を発見しました。この細胞群は食物摂取を調節し、肥満治療の新たな標的となる可能性があると考えられています。本研究成果は、2024年12月5日付の『Nature』誌に掲載され、「Leptin-Activated Hypothalamic BNC2 Neurons Acutely Suppress Food Intake(レプチン活性化視床下部BNC2ニューロンが急性の食物摂取抑制を誘導する)」というタイトルで公開されました。 この研究は、ロックフェラー大学(米国)、メリーランド大学医学部ゲノム科学研究所(IGS)、ニューヨーク大学、スタンフォード大学の共同研究チームによって行われました。 レプチン応答性ニューロンの発見 視床下部は、食欲調節・ホルモン制御・ストレス応答・体温調節などの生理機能を司る脳の重要な領域です。今回発見された新たな神経細胞群は、ホルモン「レプチン」に応答する特徴を持っています。 レプチンは脂肪細胞から脳へ送られるシグナルで、食欲を抑制する役割を担います。これまで、視床下部の特定のニューロン群がレプチンに応答することは知られていましたが、本研究では、これまで知られていなかった「BNC2ニューロン」が新たなレプチン応答性細胞であることが明らかになりました。 「私たちは以前の研究で、視床下部の発生過程をシングルセル技術でマッピングし、遺伝子の独自の調節プログラムが特殊な神経細胞集団を

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Edited by Michael D. O'Neill

Michael D. O'Neill

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