相貌失認はこれまで考えられていたよりも多くの人で発症することが判明

相貌失認(失顔症)は、初対面の人を見分けられると錯覚したり、見分けがつかなくなったりする不思議な症状で、これまで世界の2~2.5%の人が発症すると推定されてきた。このたび、ハーバード大学医学部と米軍ボストン病院(VA Boston Healthcare System)の研究者らによる新たな研究により、この疾患について新たな知見が得られ、現在考えられているよりも一般的である可能性が示唆された。
2023年2月にCortex誌に掲載されたこの研究結果は、33人に1人(3.08%)もの人が相貌失認(prosopagnosia)の基準を満たしている可能性があることを示している。これは、1000万人以上のアメリカ人に相当すると研究チームは述べている。この論文は 「発達性相貌失認の有病率はどの程度か?診断基準値の違いによる経験的評価(What Is the Prevalence of Developmental Prosopagnosia? An Empirical Assessment of Different Diagnostic Cutoffs)」と題されている。
この研究では、より厳格な基準で相貌失認と診断された人と、より緩やかな基準で相貌失認と診断された人の間で、顔照合の成績がほぼ同じであることがわかった。その結果、この病気を持っているにもかかわらず、気づいていない何百万人もの人々が新たに診断されることになるかもしれない。
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