新種の細胞:グルタミン酸性アストロサイトが発見され、神経科学界に衝撃が走る
サイエンス出版部 発行書籍
神経科学の世界が大きな動揺を見せている。脳を構成する主要な二つの細胞、ニューロンとグリア細胞の間に、新たなハイブリッド細胞が隠れていたことが明らかになった。神経科学の歴史を通じて、ニューロンのネットワークを通じた情報の高速な処理・伝達の能力が脳の主要な機能であると認識されてきた。これをサポートするため、グリア細胞は構造的、エネルギー的、免疫関連の役割を果たし、生理的定数を安定させてきた。その中でも、アストロサイトは、ニューロン間で情報伝達のための神経伝達物質が放出される接触点、シナプスを密接に取り囲んでいる。 このため、アストロサイトがシナプス伝達に積極的な役割を果たしている可能性があると長らく考えられてきた。しかしこれまでの研究は結果が一致せず、明確な科学的合意に至っていなかった。 今回、University of Lausanne (UNIL)の基礎神経科学部門とジュネーブのWyss Center for Bio and Neuroengineeringの神経科学者たちは、アストロサイトの特性を持ちつつ、シナプス伝達に必要な分子機構を発現する新しい細胞タイプを特定し、何年にもわたる議論に終止符を打った。 パズルの鍵 アストロサイトがニューロンと同様に神経伝達物質を放出する能力があるかどうかを確認するため、研究者たちは先端の分子生物学的手法を用いてアストロサイトの分子内容を詳細に調査した。目的は、ニューロンが使用する主要な神経伝達物質であるグルタミン酸の迅速な分泌のための機構を見つけることであった。テリー・ルドヴィック博士(Ludovic Telley)は「単一細胞トランスクリプトミクスの精密さが、アストロサイトのプロファイルを持つ細胞内で、グルタミン酸放出のためのニューロンの小胞を満たす役割を果たすVGLUTという小胞タンパク質のトランスクリプトが存在するこ
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