天然の機能を持つ合成エクソソームを開発。創傷治癒や新しい血管の形成を制御・支援する重要なメカニズムが明らかに。
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マックスプランク医学研究所(ドイツ・ハイデルベルグ)とDWIライプニッツ相互作用材料研究所(ドイツ・アーヘン)の研究者らは、創傷閉鎖時の細胞シグナルを制御する合成エクソソームを開発した。この合成構造は、体内のさまざまなプロセスで細胞間のコミュニケーションに基本的な役割を果たしている、天然の細胞外小胞[編集部注:エクソソームは細胞外小胞のサブセット]に似せて作られている。この研究者は、創傷治癒や新しい血管の形成を制御・支援する重要なメカニズムを明らかにした。細胞から天然の細胞外小胞を分離するのではなく、プログラム可能な完全合成細胞外小胞をゼロから設計・構築した。その結果、天然のブループリントの機能にヒントを得て、治療機能を持つ完全合成エクソソームを構築することに初めて成功した。本研究成果は、2021年9月3日付けでScience Advances誌のオンライン版に掲載された。このオープンアクセス論文は、「バイオメディカル関連の完全合成細胞外ベシクルのボトムアップ・アセンブリ(Bottom-Up Assembly of Biomedical Relevant Fully Synthetic Extracellular Vesicles )」と題されている。 我々のような多細胞生物にとって、細胞間のコミュニケーションがうまく機能することは基本的なことだ。我々の体のほとんどすべてのプロセスは、細胞が組織や器官を形成したり、例えば免疫反応の際に協力し合ったりする際に、細胞間や細胞間の調整された相互作用を必要とする。 傷の治癒や新しい血管の形成にも、組織の再生を円滑に行うために、細胞間の広範なシグナル伝達が必要である。そのために、皮膚の細胞はいくつかのメカニズムを用いて相互にコミュニケーションをとっている。そのメカニズムの1つが細胞外小胞である。細胞外小胞は、細胞がさまざまな分子を
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