見えない脅威ナノプラスチックは体を"乗っ取る"?腸内環境を破壊する新メカニズムを解明

海を汚染するマイクロプラスチック問題はよく知られていますが、もし、それよりもはるかに小さく、私たちの細胞の中にまで入り込む「ナノプラスチック」が、体内で“伝言ゲーム”を乗っ取り、静かに健康を蝕んでいるとしたらどうでしょう? 台湾の画期的な研究が、ナノプラスチックが直接的な毒で攻撃するのではなく、細胞同士のメッセージ物質を操ることで、私たちの腸内環境を内側から崩壊させる驚くべきメカニズムを解き明かしました。 画期的な台湾の研究が、ポリスチレンナノプラスチックが宿主と微生物のコミュニケーションを細胞外小胞を介して伝達されるマイクロRNAを通じて操作することにより、直接的な毒性ではなく腸の健全性を破壊することを明らかに 2025年6月10日、学術雑誌「Nature Communications」に掲載されたオープンアクセス研究は、ナノプラスチックが腸内環境に害を及ぼす驚くべきメカニズムを明らかにしました。論文タイトルは「Polystyrene Nanoplastics Disrupt the Intestinal Microenvironment by Altering Bacteria-Host Interactions Through Extracellular Vesicle-Delivered MicroRNAs(ポリスチレンナノプラスチックは細胞外小胞によって運ばれるマイクロRNAを介して細菌と宿主の相互作用を変化させることで腸内微小環境を破壊する)」で、この研究は台湾の国立嘉義大学のバオホン・リー教授(Professor Bao-Hong Lee)の監修のもと、ウェイシュアン・シュー氏(Wei-Hsuan Hsu)とヨウヅォ・チェン氏(You-Zuo Chen)が主導し、同じく台湾の国立成功大学との共同で行われました。この統合的な研究は、ナノプラスチックが
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Edited by Michael D. O'Neill
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