喘息・COPD治療の新時代! ステロイドより30%優れた注射療法が登場

喘息・COPD治療の新時代! ステロイドより30%優れた注射療法が登場

サイエンス出版部 発行書籍

喘息・COPD治療の新時代—ステロイドよりも効果的な新しい注射療法が登場 喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)の急性発作は、時に致命的な結果をもたらすことがあります。イギリスでは、毎日4人が喘息で、85人がCOPDで死亡 しており、喘息発作は10秒に1回 発生しています。また、喘息とCOPDの治療費は NHS(英国国民保健サービス)に年間59億ポンド(約7.6億ドル) の負担を強いています。これまで喘息やCOPDの急性増悪(exacerbation)に対する治療は、50年間ほとんど進歩がありませんでした。 主な治療法は ステロイド薬(プレドニゾロンなど) でしたが、副作用(糖尿病、骨粗鬆症など)が問題となっており、さらに治療の失敗率が高く、90日以内に再入院や死亡に至るケースも多い という課題がありました。 しかし、2024年11月27日付のThe Lancet Respiratory Medicineに掲載されたABRA臨床試験(フェーズ2) の結果は、この状況を変える可能性を示しました。本研究は、キングス・カレッジ・ロンドン の科学者らが主導し、オックスフォード大学 がスポンサーとなっています。 研究によると、既存の喘息治療薬「ベンラリズマブ(benralizumab)」 を急性発作時に投与することで、ステロイド療法よりも30%効果的に発作を抑え、追加治療の必要性を低減 できることが確認されました。これは、喘息とCOPDの治療において画期的な成果となる可能性があります。 論文タイトルは、「Monoclonal Antibody Better Than Standard Treatment for Some Types of Asthma Attacks and COPD Flare-Ups, Phase II Clinical Trial Results S

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Edited by Michael D. O'Neill

Michael D. O'Neill

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