片頭痛に悩まされている人は2型糖尿病になりにくい理由を探る研究成果

片頭痛に悩まされている人は2型糖尿病になりにくい理由を探る研究成果

サイエンス出版部 発行書籍

片頭痛に悩まされている人は2型糖尿病になりにくく、また、糖尿病になった人の中には片頭痛になりにくい人もいる。今日、これらの疾患の関連性を研究している科学者らが、片頭痛の痛みを引き起こすペプチドが、マウスのインスリン分泌に影響を与えることを報告した。おそらく、分泌されるインスリンの量を調節したり、インスリンを産生する膵臓細胞の数を増やしたりすることで、インスリンの分泌に影響を与えるのだろう。この発見は、糖尿病の予防や治療法の改善につながる可能性がある。アメリカ化学会秋季大会(ACS Fall 2021)でその研究成果が発表された。ACS Fall 2021は、8月22日~26日にバーチャルと対面で開催されたハイブリッドミーティングで、オンデマンドコンテンツは8月30日~9月30日に配信される。この会議では、幅広い科学のトピックに関する7,000件以上の発表が行われた。

「片頭痛は脳で起こり、糖尿病は膵臓に関連しており、これらの臓器は互いに離れている」と、本プロジェクトの研究責任者であるテネシー大学のThanh Do博士は述べた。Do博士は、「糖尿病と脳の間には逆の関係があるという論文が数多く発表されたことから、このテーマに関心を持つようになった」と語る。

彼らは、神経系に存在する2つのペプチド、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)と下垂体アデニル酸シクラーゼ活性化ポリペプチド(PACAP)が、片頭痛の痛みを引き起こすのに重要な役割を果たしていることをすでに知っていた。これらのペプチドは、関連するペプチドであるアミリンとともに、膵臓にも存在する。膵臓では、β細胞からのインスリンの分泌に影響を与えている。

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Edited by Michael D. O'Neill

Michael D. O'Neill

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