食欲制御は脳神経細胞の一次繊毛でのシグナル伝達に依存と判明
サイエンス出版部 発行書籍
University of California-San Francisco (UCSF) の研究チームは、脳が体重を調節する能力は、脳の「飢餓回路」が神経細胞の一次繊毛と呼ばれるアンテナ状の構造物を通して信号を伝達する、その独特の形態によるものであることを突き止めた。一次繊毛は、運動繊毛とは異なる器官で、後者は指のような突起物で細胞のコンベヤー・ベルトのような働きをしており、肺や気管のゴミを排出する機能を持っている。 不動性の一次繊毛は、虫垂のように進化の痕跡のようなものと考えられたこともあったが、過去10年、UCSFその他の研究機関の研究で、この一次繊毛が身体の様々な種類のホルモン信号伝達に重要な役割を果たしていることが明らかにされてきた。2018年1月8日付Nature Genetics オンライン版に掲載されたUCSFの新しい研究で、一次繊毛が脳内の信号伝達に重要な役割を果たしていることが示されている。この論文は、「Subcellular Localization of MC4R with ADCY3 at Neuronal Primary Cilia Underlies a Common Pathway for Genetic Predisposition to Obesity (神経細胞の一次繊毛でのMC4RとADCY3の細胞内局在が肥満の遺伝的素因の一般的経路の背景)」と題されている。神経科学者は、脳の信号伝達というとシナプスと呼ばれる部位におけるニューロン間の直接的な化学的または電気的なコミュニケーションと考えることになれてしまっているが、この新しい研究結果では一次繊毛における化学的信号伝達も重要な役割を果たしていることが示されており、このことはこれまで見過ごされてきた。研究者は、さらに、この研究結果から世界的に拡大している肥満傾向に対する新しい治療法の可
Mantis 次世代分注ディスペンサー
ラット・マウスのモノクローナル抗体精製に最適な高性能プロテインA アガロースビーズ Ab-Capcher
オーファン受容体研究におけるリガンド探索や新しい疾患代謝経路の解明に:Greenpharma ヒト内在性リガンドライブラリー
同じカテゴリーの記事
Life Science News from Around the Globe
Edited by Michael D. O'Neill
バイオクイックニュースは、サイエンスライターとして30年以上の豊富な経験があるマイケルD. オニールによって発行されている独立系科学ニュースメディアです。世界中のバイオニュース(生命科学・医学研究の動向)をタイムリーにお届けします。バイオクイックニュースは、現在160カ国以上に読者がおり、2010年から6年連続で米国APEX Award for Publication Excellenceを受賞しました。
BioQuick is a trademark of Michael D. O'Neill