慢性疼痛に有効なA3アデノシン受容体を標的としたリード分子を突き止める
サイエンス出版部 発行書籍
セントルイス大学 (SLU) の薬理学および生理学の教授 Daniela Salvemini博士率いる研究チームは、2015年4月15日付Journal of Neuroscienceに掲載された研究論文で、A3アデノシン受容体を標的とする薬剤で脊椎中の疼痛の信号をカットし、慢性疼痛を軽減できることを突き止めたと述べている。この論文は「Engagement of the GABA to KCC2 Signaling Pathway Contributes to the Analgesic Effects of A3AR Agonists in Neuropathic Pain」と題されている。 患者が医者の診察を受ける最大の理由は疼痛だが、一般的な非ステロイド系抗炎症薬 (NSAID) もオピオイド鎮痛薬も必ずしも慢性の疼痛に効果があるとは限らない。そのため、Salvemini博士と同僚研究チームは、NIH、University of Arizona、カナダのケベック州の2研究機関と協力し、慢性疼痛を緩和する新しい標的薬を調査した。それがA3アデノシン受容体(A3AR) である。 Salvemini博士の研究室でのそれまでの研究で、A3アデノシン受容体を標的とする2種の医薬、IB-MECAとMRS5698が、化学療法を原因とする激しい痛みを伴う神経障害、転移がんの痛み、神経傷害などいくつかの慢性疼痛の治療に効果があった。同グループは、最近にはA3アデノシン受容体の疼痛緩和の仕組みを解明しようとしており、Salvemini博士は、「慢性疼痛というのは、疼痛を伝達する神経経路の調節機構能力が失われるために起きるということが考えられる。アデノシンは神経系の他の領域では調節信号伝達分子の役割を果たしており、私たちもA3アデノシン受容体が疼痛処理時に疼痛信号調節に何らかの役
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