研究室で合成された植物化合物(Curcusone D)は、これまで「難攻不落」だった癌タンパク質(BRAT1)を標的とする可能性を秘めている
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パデュー大学の化学者が、これまで「治療不可能」とされていた癌タンパク質に対抗する化合物の合成法を発見した。この化合物は、さまざまな種類の癌に有効である可能性がある。パデュー大学癌研究センターの化学教授であるMingji Dai博士は、北米原産の低木から発見された希少な化合物にヒントを得て、同僚とともにこの化合物を研究し、費用対効果に優れた効率的な合成方法を発見した。この合成法は、2021年3月11日にJournal of the American Chemical Societyのオンライン版に掲載された論文に記載されている。この論文は、「Curcusone Diterpenesの全合成とターゲットの同定(Total Synthesis and Target Identification of the Curcusone Diterpenes)」と題されている。 この化合物(Curcusone D)は、乳癌、脳腫瘍、大腸癌、前立腺癌、肺癌、肝臓癌など、多くの癌に見られるタンパク質に対抗できる可能性がある。BRAT1と呼ばれるこのタンパク質は、以前はその化学的特性から「治療不可能」とされていた。研究チームは、スクリプス研究所のAlexander Adibekian博士のグループと共同で、Curcusone DとBRAT1を結びつけ、Curcusone Dを初のBRAT1阻害剤として検証した。 Curcusone は、ジャトロファ・クルカス(写真)という低木に由来する化合物で、パージナッツとも呼ばれる。アメリカ大陸が原産で、アフリカやアジアなどの他の大陸にも広がっている。この植物は、古くから癌治療などの薬効があるとされ、また安価なバイオディーゼルの原料としても提案されている。Dai 博士は、このCurcusone A、B、C、Dという化合物群に注目した。Dai博士は、
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