植物のナノ生物工学で光合成や生化学センサーの増強
サイエンス出版部 発行書籍
人間にとって植物は様々な重要な機能を持っている。食料や燃料を供給し、私たちが呼吸する酸素を吐き出し、環境に彩りを添えてくれる。MITの研究チームは、Cal Techや、トルコのDumlupinar Universityとの共同研究で、ナノ材料を使って植物のエネルギー生産を強化したり、環境汚染物質のモニターなどまったく新しい機能を持たせたりなど植物をさらに有用なものに作り替える研究を進めている。 2014年3月16日付「Nature Materials」誌オンライン版に掲載された研究論文では、植物が光合成を行う葉緑体と呼ばれる細胞小器官にカーボン・ナノチューブを埋め込むことで光エネルギー捕捉量を30%強化する実験を報告している。また、少し違ったタイプのカーボン・ナノチューブを使って、酸化窒素ガスを検出するように植物を作り替えることができた。これらは、研究者が「植物ナノ生物工学」と呼んでいる科学分野への第一歩を象徴している。MITでChemical EngineeringのCarbon P. Dubbs Professorを務め、研究チームを指導するDr. Michael Stranoは、「技術のプラットフォームとして植物は非常に魅力的だ。植物は組織修復力が強く、環境に対して安定な外皮を持っており、苛酷な環境でも生き延びることができる。また、それ自身でエネルギー源と水分配給系を持っている」と述べている。 Dr. Stranoと、この論文の筆頭著者で植物生物学ポスドク研究者のDr. Juan Pablo Giraldoは、植物を作り替え、爆発物や化学兵器を検知する自己駆動型光通信装置にする可能性を考えている。また、電子装置を植物に組み込むことも考えており、Dr. Stranoは、「可能性は無限だ」と述べている。ナノ生物工学植物のアイデアは、Dr. Stranoのラボで植
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