インフルエンザA型ウイルスが保護粘液層を突破する機序解明に近づく
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University of California, San Diego (UCSD) School of Medicineの研究チームは、インフルエンザA型ウイルスが保護粘液層を突破し、呼吸器上皮細胞に感染、さらに上皮細胞から出て他の細胞に感染していく機序を初めて明らかにした。Department of Cellular and Molecular Medicineの准教授、Pascal Gagneux, Ph.D.が研究チームを率いたこの研究の論文は、Virology Journalのオンライン・オープン・アクセス版に掲載され、ウイルスの活動をさらに効果的に阻害する新しい医薬なり治療法なりへの方向性が示されており、あるいは一部の型のインフルエンザ感染を完全に予防できるようになる可能性も示している。 一般的なインフルエンザ・ウイルス株が、すべての動物の細胞で表面を覆っている情報伝達糖分子の一種、シアル酸を探し、これを利用することは以前からよく知られていた。 たとえば、どこにでも存在するH1N1やH3N2というインフルエンザ株は、赤血球凝集素 (H) タンパク質を細胞表面の対応するシアル酸受容体に結合させてから細胞表面を浸透し、ウイルスが他の細胞に感染を広げる準備ができれば今度は酵素のノイラミニダーゼ (N) をこのシアル酸に付着させたり、亀裂を入れて突破するということをしている。肺、鼻、喉など体内の気道の壁を覆っている粘膜細胞はシアル酸の豊富な粘液を分泌し、病原体から防衛している。粘液は粘りけのある罠で、ウイルスが脆弱な細胞に感染する前にこれを取り込み、封じ込めてしまう。Dr. Gagneuxは、「分泌された粘液中のシアル酸はねばっこいクモの巣のような働きをしており、ウイルスを引き寄せるとウイルスの赤血球凝集素タンパク質に取りついて捕まえてしまう」と述べている。D
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