幹細胞とナノファイバーで神経研究に長足の進歩期待
サイエンス出版部 発行書籍
ミシガン大学の神経科医ジョセフ・コリー医学博士は、自分のクリニックで毎週のように、患者の神経組織が病気や傷害のために死滅あるいは消失するのを見てきた。コリー博士は、神経組織を破壊する病気や傷害が患者に痛みや身体能力の低下など様々な影響を与えるのを見てきて、治療も現在よりもっと効果的な方法がないものか、あるいはできれば神経組織そのものを再生することができないかと考えてきた。 そのため、コリー博士は、VAアン・アーバーヘルスケア・システム (VAAHS) の自分の研究ラボを率い、現在、その研究チームはまさしく博士の念願を実現すべく研究を進めている。最近発表されたいくつかの研究論文で、コリー博士と、ミシガン大学医学部、VAAAHS、カリフォルニア大学サンフランシスコ・キャンパス(UCSF)の研究同僚は、特殊なポリマー・ナノファイバー技術の開発に成功し、神経組織形成の仕組み、なぜ傷を受けた神経が再接合しないのか、神経組織の損傷を防いだり、損傷の進行を遅らせることはできないかという問題を研究してきたと述べている。 さらに、人間の毛髪よりも細いポリマー・ナノファイバーを基礎として特定のタイプの脳細胞をナノファイバーに巻きつかせることで人体の神経組織とほぼ同じ大きさと形状のものを作ることができた。そればかりか、より大きな神経線維を損傷から守る保護皮膜形成、つまり髄鞘形成と言われるプロセスも再現することができたと述べている。さらには、人体の中で起きているのとまったく同じように、ミエリンと呼ばれる保護物質が同心円状に何層にも形成することも確認した。コリー博士のチームは、協力者のUCSFのジョナ・チャン博士のラボ・チームと共同で2012年7月15日付のNature Methodsオンライン版に研究成果を発表している。この研究では、ニューロンを中枢神経系の主役とすれば、その主役を支える
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