全ゲノムシーケンス解析でアルツハイマー型認知症に関連する13の希少遺伝子変異が発見された
サイエンス出版部 発行書籍
アルツハイマー型認知症に関連する希少なゲノム変異を発見するために、世界で初めて全ゲノム配列解析を行い、13個の変異が同定された。また、この研究では、アルツハイマー病と、神経細胞間の情報伝達を担うシナプスの機能や、神経細胞が脳の神経ネットワークを再構築する能力である神経可塑性との間に、新たな遺伝的関連性があることが明らかになった。これらの発見は、この壊滅的な神経疾患に対する新しい治療法の開発に役立つ可能性がある。マサチューセッツ総合病院(MGH)、ハーバード大学T.H.チャン公衆衛生大学院、ベス・イスラエル・ディーコネス・メディカル・センターの研究者らは、これらの発見をAlzheimer's & Dementia誌( The Journal of the Alzheimer's Association )で報告した。 2021年4月2日にオンラインで公開されたこのオープンアクセスの論文は、「全ゲノム塩基配列解析により、シナプス機能および神経細胞の発達に関連する遺伝子に、新たなアルツハイマー病関連の希少変異が発見される(Whole-Genome Sequencing Reveals New Alzheimer's Disease-Associated Rare Variants in Loci Related to Synaptic Function and Neuronal Development)」と題されている。MGHでは、過去40年間にわたり、神経学の副主任であり、同病院の遺伝学・加齢研究ユニットのディレクターであるRudolph Tanzi 博士が中心となって、アルツハイマー型認知症の遺伝的起源に関する研究を先駆的に行ってきた。特に、Tanzi博士らは、アミロイドタンパク(A4)前駆体(APP)やプレセニリン遺伝子(PSEN1およびPSEN2)など、早
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