脳細胞を光で操る!「青いロドプシン」が拓くオプトジェネティクスの未来
		グリーンランドの壮大な氷河、チベットの高山の万年雪…。美しくも過酷なこれらの極寒の地に、脳細胞の活動さえもコントロールできるかもしれない、魔法のような分子が眠っていました。偶然の発見から始まった、珍しい「青いタンパク質」の物語。それは、光で生命を操る未来の技術への扉を開く、驚くべき可能性を秘めていました。 極寒環境に適応した微生物由来の希少な青いタンパク質が、細胞の分子ON/OFFスイッチを設計するための原型となりうる 構造生物学者であるキリル・コバレフ博士(Kirill Kovalev, PhD)にとって、グリーンランドの壮大な氷河、チベット高山の万年雪、そしてフィンランドの恒久的に氷のように冷たい地下水は、単に冷たく美しいだけでなく、それ以上に重要なことに、脳細胞の活動を制御できる可能性を秘めた特異な分子の故郷なのです。EMBLハンブルクのシュナイダーグループおよびEMBL-EBIのベイトマングループに所属するEIPODポスドク研究員であるコバレフ博士は、生物学的な問題の解決に情熱を注ぐ物理学者です。彼は特に、水生微生物が太陽光をエネルギーとして利用することを可能にする、色彩豊かなタンパク質群であるロドプシンに夢中です。 「私の研究では、特異なロドプシンを探し、それらが何をしているのかを理解しようと試みています」とコバレフ博士は言います。「そのような分子は、私たちが恩恵を受けることのできる、未発見の機能を持っているかもしれません。」 一部のロドプシンは、細胞内の電気的活動を光で操作するスイッチとして機能するように、すでに改変されています。オプトジェネティクス(光遺伝学)と呼ばれるこの技術は、神経科学者が実験中に神経細胞の活動を選択的に制御するために使用しています。例えば、酵素活性といった他の能力を持つロドプシンは、光を用いて化学反応を制御するために使用
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Edited by Michael D. O'Neill

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