アルツハイマー病の進行を初期段階で阻止—TUM研究者が開発したタンパク質薬H1GAの効果を動物実験で確認
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アルツハイマー病予防への新アプローチ—TUM研究者が開発したタンパク質薬「アンチカリン」の効果を確認。 ミュンヘン工科大学(Technical University of Munich, TUM)の研究チームは、アルツハイマー病の進行を初期段階で食い止める新しい予防的治療法を開発しました。研究チームは、アルツハイマー病の初期段階で神経細胞の過活動を引き起こすことが知られているアミロイドβ分子に特異的に作用するタンパク質薬を設計し、その効果を実験用マウスで確認しました。研究結果は、2024年7月10日に学術誌Nature Communicationsに掲載され、論文タイトルは「β-Amyloid Monomer Scavenging by an Anticalin Protein Prevents Neuronal Hyperactivity in Mouse Models of Alzheimer’s Disease(アンチカリンタンパク質によるアミロイドβモノマーの捕捉がアルツハイマー病モデルマウスにおける神経過活動を抑制する)」です。 神経過活動を抑制するタンパク質薬「アンチカリン」 アルツハイマー病は、アミロイドβ分子の異常な凝集や蓄積によって脳内の神経細胞が過活動状態となり、認知機能が低下する神経変性疾患です。これに対して、ベネディクト・ゾット博士(Benedikt Zott, PhD)とアーサー・コナー博士(Arthur Konnerth, PhD)を中心とする研究チームは、「アンチカリン」と呼ばれる人工タンパク質を用いた新しい治療法を開発しました。アンチカリンは、ヒトのリポカリンと呼ばれるタンパク質ファミリーに由来し、抗原や小分子と結合できる能力を持つ抗体模倣体です。アンチカリンは抗体と異なり、約180個のアミノ酸からなる小型タンパク質(約20 kDa
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