PSPの早期診断を可能にする新たな発見
サイエンス出版部 発行書籍
進行性核上性麻痺(PSP)の患者の脳脊髄液中に特有のタンパク質パターンが見つかり、早期診断や新しい治療法の開発に役立つ可能性が示されました。この発見は、PSP患者の生前診断を可能にする新たな道を開くのでしょうか? 進行性核上性麻痺(PSP)は、謎に包まれた致命的な神経疾患であり、通常は患者が亡くなり、解剖が行われるまで診断されることがありません。しかし、カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCサンフランシスコ)の研究者らは、患者がまだ生きている間にこの疾患を特定する方法を発見しました。2023年7月3日にNeurology誌に掲載された論文「「CSF Proteomics in Patients with Progressive Supranuclear Palsy」(進行性核上性麻痺患者における脳脊髄液プロテオミクス)」で、PSP患者の脳脊髄液中に特有のパターンが見つかり、数千のタンパク質を微量の液体で測定できる新しいハイスループット技術が使用されました。 研究者らは、このタンパク質バイオマーカーが診断テストや疾患の致命的な進行を抑えるターゲット療法の開発につながることを期待しています。この疾患は25年前、「10」や「Arthur」のスターであるダドリー・ムーアがPSPの診断を公表したことで注目を集めました。PSPはしばしばパーキンソン病と間違われますが、進行が速く、パーキンソン病の治療には反応しません。ほとんどのPSP患者は症状が出始めてから約7年以内に亡くなります。 早期診断の重要性 PSPはタウタンパク質の蓄積が原因で細胞が弱くなり死滅することが原因とされています。これは認知、運動、行動に影響を与える前頭側頭型認知症(FTD)の一種です。PSPの代表的な症状には、後ろ向きに転倒しやすいバランスの悪さや、目を上下に動かすことの困難さが含まれます。「アルツ
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