ストレス関連障害の分子メカニズム解明:新たな治療法の可能性

ストレス関連障害の分子メカニズム解明:新たな治療法の可能性

ストレス関連障害である心的外傷後ストレス障害(PTSD)や臨床うつ病(大うつ病、MDD)は、遺伝子と環境の両方が影響を与える複雑な状態です。しかし、これらの障害の分子メカニズムは依然として明らかにされていません。なぜ一部の人々がPTSDやうつ病を発症し、他の人々は発症しないのか、その謎を解明するために、テキサス大学オースティン校デル医科大学の研究者らが行った新しい研究が発表されました。この研究は新たな治療法やバイオマーカーの開発に繋がる可能性があります。

テキサス大学オースティン校デル医科大学と共同研究者らは、ストレス関連障害である心的外傷後ストレス障害(PTSD)と臨床うつ病(大うつ病、MDD)の患者の脳における分子レベルでの違いを明らかにしました。この研究は、2024年5月23日にScience誌に掲載された「Systems Biology Dissection of PTSD and MDD Across Brain Regions, Cell Types, and Blood(PTSDおよびMDDの脳領域、細胞タイプ、血液におけるシステム生物学的解剖)」という論文で発表されました。

「なぜ一部の人がPTSDやうつ病を発症し、他の人が発症しないのかを理解することは大きな課題です」と、デル医科大学精神医学および行動科学部の部長であるチャールズ・B・ネメロフ博士(Charles B. Nemeroff, MD, PhD)は述べています。マクリーン病院の主任科学責任者でハーバード医科大学の精神医学教授であるケリー・レスラー博士(Kerry Ressler, MD, PhD)と、リーバー脳発達研究所の臨床科学副所長であるジョエル・クラインマン博士(Joel Kleinman, MD)も、この研究の共同研究者です。

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Edited by Michael D. O'Neill

Michael D. O'Neill

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