意外と正確!耳に残るメロディが示す私たちの「隠れた音程記憶」
サイエンス出版部 発行書籍
音程記憶は誰にでもある?—UCサンタクルーズの研究が示す耳に残るメロディの秘密。 カリフォルニア大学サンタクルーズ校(UC Santa Cruz)の研究により、あなたがシャワー中に歌うメロディが意外と正確かもしれないということが明らかになりました。心理学者らは、耳に残って離れない「イヤーワーム」と呼ばれるメロディがどれほど正確に再現されるかを調査しました。その結果、録音されたメロディの44.7%がオリジナルの楽曲と全く同じ音程(0セミトーンの誤差)であり、68.9%が1セミトーン以内の誤差であったことが判明しました。 この研究結果は、2024年8月に学術誌「Attention, Perception, & Psychophysics」に発表されました。論文タイトルは「Absolute Pitch in Involuntary Musical Imagery(無意識の音楽イメージにおける絶対音感)」です。 無意識の「隠れた絶対音感」 この発見は、多くの人が無意識のうちに「隠れた絶対音感」を持っている可能性を示しています。研究を主導したマット・エバンス博士課程学生(Matt Evans)は、「実験参加者に自分の音程の正確さについて質問したところ、メロディを正確に歌えているという自信はあっても、正しいキーで歌っているかどうかについては確信がない人が多いことが分かりました」と述べています。この「隠れた絶対音感」は、完全な絶対音感を持つ人が示すような特定の音程を即座に判別できる能力ではありませんが、正確なピッチメモリを持っていることを示唆しています。 絶対音感と隠れた音程記憶の違い 絶対音感は、特定の音程を基準音なしで正確に認識したり再現したりする能力で、1万人に1人程度しか持っていない稀な能力とされています。これを持つ人物には、ベートーヴェンやエ
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