ナトリウムMRIという造影検査法を使って偏頭痛患者を調べた初の研究で、偏頭痛患者は健康な人に比べて脳脊髄液中のナトリウム濃度がかなり高いという結果が出た。この研究結果は、2017年11月26日から12月1日までシカゴで開かれていたRadiological Society of North America (RSNA) 年次大会の11月28日でプレゼンテーションがあった。
偏頭痛は頭痛の一種で、激しい頭痛や時には吐き気、吐瀉などの症状を特徴としており、女性の18%、男性の6%がこの障害に悩む比較的多い頭痛障害である。偏頭痛患者の中には視覚異常や、アウラと呼ばれる身体症状を経験する者もいる。しかし、偏頭痛の特徴や発作のタイプは患者ごとに様々で、診断は難しい。そのため、偏頭痛と確定されず、治療を受けないままの患者も多い。逆に、もっと一般的な緊張性頭痛などでありながら、偏頭痛の投薬を受ける患者もいる。
この研究論文の著者、ドイツのハイデルベルクのUniversity Hospital Mannheim and Heidelberg University, Institute of Clinical Radiology and Nuclear MedicineのMelissa Meyer, MD, Radiology Residentは、「偏頭痛の診断を助けるか、あるいはむしろ偏頭痛を発見し、偏頭痛と他のあらゆるタイプの頭痛とを判別する診断ツールがあれば非常にありがたい」と述べている。Dr. Meyerの研究チームは、偏頭痛の診断と理解を助ける手段として、脳脊髄液ナトリウムMRIという磁気共鳴造影法を採用した。MRIは原子中の陽子を利用して画像をつくり出すのが普通だが、ナトリウム原子も画像化できる。これまでの研究で、脳の化学反応にナトリウムが重要な役割を果たしていることが示されている。
その研究では医師に偏頭痛と診断された女性12人を募った。その平均年齢は34歳だった。被験者の女性は、偏頭痛発作の時間的長さ、強さ、頻度、発作に伴うアウラについて調査票に記入した。さらに、ほぼ同じ年齢帯の健康な女性12人を募り、対照グループとして、両グループが脳脊髄液ナトリウムMRIを受けた。研究チームは、偏頭痛患者グループと健康体対照グループ双方のナトリウム濃度を測定、比較し、統計解析にかけた。
研究者らは、灰白質、脳幹、および小脳におけるナトリウム濃度について、2つの群の間に統計的な差異がないことを見出した。しかし、脳や脊髄を取り囲む流体である脳脊髄液中のナトリウム濃度を調べ、適切な脳機能のための化学的安定性を確保するのを助けながら、脳のクッションを提供する研究者が現れた。
全体として、ナトリウム濃度は、片頭痛患者の脳の脳脊髄液において、健常対照群より有意に高かった。
「これらの知見は、片頭痛の挑戦的な診断を容易にするかもしれない」とメイヤー博士は語った。
研究者らは、将来の研究で片頭痛とナトリウムの関連についてもっと学びたいと考えています。 「これは探索的な研究であったため、より多くの患者を、好ましくは片頭痛発作の最中または直後に検査して、さらなる検証を行う予定である」とMeyer博士は述べた。
発表された作品の共著者はAlexander Schmidt、Justus Benrath、Simon Konstandin、PhD、Lothar R. Schad、PhD、Stefan O. Schoenberg、MD、PhD、Stefan Haneder、MDです。
RSNAは、54,000人以上の放射線科医、放射線腫瘍学者、医学物理学者、関連科学者の協会であり、教育、研究、技術革新を通して患者ケアとヘルスケア提供の卓越性を促進しています。同協会は、イリノイ州オークブルック( http://www.RSNA.org )に拠点を置いています。
脳MRIに関する患者に優しい情報については、( http://www.RadiologyInfo.org )をご覧ください。
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